マイクロソフトでは、3つのアンビション(野心)を掲げている。
Office製品などで構成される「プロダクティビティとビジネスプロセス」、Windows 10やSurfaceなどによる「パーナソルコンピューティング」、そして、Azureなどの「インテリジェントクラウド」である。
インテリジェントクラウドは前年同期比3%増の約60億ドル(約6608億円)と成長
その中でも、インテリジェントクラウドは成長のけん引役に位置づけられている。
先頃発表された米マイクロソフトの2016年度第3四半期(2016年1~3月)の業績は、売上高が前年同期比6%減の約205億ドル(約2兆2579億円)、利益は25%減の約37億ドル(約4075億円)の減収減益だったが、そのうち、インテリジェントクラウドは前年同期比3%増の約60億ドル(約6608億円)と成長を遂げた。
米マイクロソフト クラウド&エンタープライズ マーケティング担当の沼本健コーポレートバイスプレジデントは、「インテリジェントクラウドを今後のマイクロソフトの成長を担う事業へと育て上げたい」と語る。
実際、Microsoft Cloudの利用は急速に伸びている。それはいくつかの指標から裏付けられる。
同社によると、Azure IoTで処理しているイベントメッセージ数は、1週間に2兆回に達し、Azure上のSQL Databaseの数は160万、Azureの新規顧客の月間サブスクリプションは12万件に達しているという。また、Azure Active Directoryのユーザー数は6億ユーザーに、Visual Studio Team Servicesに登録した開発者数は400万に達している。そして、スタートアップやISVからの売上高は40%以上に達しており、「パートナーが、Azureを利用して、SaaSを提供するといった活用が増えている」というのもひとつの特徴だ。
全世界合計で32ヵ所にデータセンターを設置する計画
マイクロソフトが推進するインテリジェントクラウドには、3つの特徴がある。
それは、ハイパースケールコンピューティングを実現していること、エンタープライズグレードのサービスを提供している点、ハイブリッドクラウドであるという点だ。
マイクロソフトでは、欧米や日本など、全世界24ヵ所のデータセンターを稼働。今後、全世界合計で32ヵ所にデータセンターを設置する計画を明らかにしている。ここで稼働しているサーバーは、AWSとGoogleを足した数を超える規模だという。これは、世界最大のハイパースケールを実現することにつながっているが、同時に、ローカルにおける活用にも最適化したものになっている。
フォーチュン500のうち85%以上の企業が、Microsoft Cloudを利用
また、金融、保険、政府、官公庁など、高い信頼性が求められるユーザーでの利用が増えていることからも明らかなように、これらユーザーに対応したエンタープライズグレードのサービスを提供。「フォーチュン500のうち85%以上の企業が、Microsoft Cloudを利用。しかも重要なのは、70%以上の企業がMicrosoft Cloudで提供される複数のサービスを活用しているという点だ。この1年間で、マイクロソフトの複数のクラウドサービスを利用する企業は13ポイントも増えている」という。マイクロソフトのクラウドに高い信頼を寄せていることの証だといえよう。実際、ガートナーのマジッククアドラントでは、19カテゴリーでリーダーに選ばれている。
クラウドとオンプレミス、さらにハイブリッドクラウドも提供
そして、マイクロソフトは、クラウドとオンプレミスの双方で同じサービスを提供。さらに、ハイブリッドクラウドを提供できる強みもある。
「ハイブリッドな世界で、ハイブリッドクラウドを牽引するのがMicrosoft Cloudが選択される理由のひとつ。革新的でオープンなプラットフォームを提供するとともに、すべてのワークロードをワンストップで提供するエンタープライズレベルのサポート体制も実現する。他社にはない包括的なソリューションと顧客体験を実現できる。だからこそ、Microsoft Cloudは優位であり、選ばれる」とする。
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