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Teradata Database on AWSや超並列分析基盤も投入

ヤフーとの提携や分析コンサルを進めるテラデータの戦略

2016年05月20日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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5月19日、日本テラデータは年次イベント「TERADATA UNIVERSE TOKYO 2016」の開催に合わせ、2016年度の事業戦略、技術戦略を説明する記者会見を行なった。データ分析をビジネス価値に変えるべく、コンサルティング分野や他社との協業を拡充するほか、クラウド上での分析サービスでもリーダーになっているとアピールした。

テラデータ・コーポレーション エクゼクティブ・バイスプレジデント インターナショナル・リージョン&グローバル・サービスのダン・ハリントン氏

分析コンサルテイングサービスを体系化して提供

 日本テラデータは、新たに分析コンサルティングサービスを提供すると発表した。テラデータがグローバルで培った分析支援活動におけるコンサルティングノウハウを活用することで、ユースケースの参照などにより、プラン作成を短時間化。分析準備までの期間を短縮できる。また、AsterおよびApp Centerのツールを活用して、ディスカバリー作業を迅速化。分析モデル作成と検証のサイクルを短期間に回すことができ、生産性を高めることが可能だ。

 「これまでは半年以上かかっていた初期コンサルティング分析活動が2カ月程度に短縮できる。すでに一部ユーザーで利用しているが、これを全ユーザーに対象を広げていくことなる」(日本テラデータの吉川幸彦社長)とした。分析コンサルティングサービスは、まずは日本テラデータからの直接サービスとして提供。100人体制で取り組むという。

訂正とお詫び:掲載当初、「買収したThinkBigのコンサルティングを日本でも展開」としていましたが、ThinkBigのコンサルティングサービスと今回発表の分析サービスは別のものでした。上記のとおり内容を訂正いたします。(2016年5月23日)

ヤフーとの技術提携により、次世代データ分析基盤を目指す

 さらに、ヤフーがテラデータ・ラボと技術提携し、サービスやソリューションを共同開発することを発表。次世代データ分析基盤の構築を目指す。全ビジネス部門でのデータ活用を前提に、分析基盤に最新モデルのTeradataを追加。Teradata QueryGridを採用することで、高度な分析パフォーマンスの実現を目指すという。

 吉川社長は、「顧客の要求が開発に反映され、これを他の顧客にも展開していくことというサイクルを作りたい。ビジネスのアイデアをテクノロジーで支えるとともに、新たなテクノロジーを素早くビジネスに適用すること、グローバルな先進性を日本の顧客に対して提供するといったパートナーシップにより、顧客とともに成長していく」などと述べたほか、「これまでは金融、流通、通信といった顧客が中心となっていたが、日本では製造業での活用提案を強化していきたい」とした。

日本テラデータの吉川幸彦社長

 日本テラデータでは、2016年度の取り組みとして、「分析コンサルティングへのフォーカス強化」、「分析ソリューションの拡大と展開」、「お客様とのパートナーシップで共に成長する」という3つの基本戦略を掲げ、顧客の上流行程から業種特有の課題にアプローチするとともに、30年以上にわたるデータ分析の経験と知見をフレームワーク化。オープンソースを含めたエコシステムとソリューションの提供、Teradata Asterなどによる新分析手法に対応した独自ソリューションの進化などに取り組むという。

 「構造化データや多構造化データ、センサーデータ、Webログといったあらゆるデータを組み合わせた利用環境が前提となる一方で、モノとモノなど、事象間の関係性を発見する新たな手法が求められている。いまの分析手法と新たな分析手法を結びつけることで、新しい発見が可能になり、これにより新た価値を提供できる」(吉川社長)とした。

並列アーキテクチャ採用のプラットフォームも提供!AWSでの利用も

 一方、テラデータ・ラボのオリバー・ラッゼスバーガープレジデントは、2016年4月に本社が発表した新たな製品やサービスなどについて説明した。

テラデータ・ラボのオリバー・ラッゼスバーガープレジデント

 2016年第3四半期から提供を開始する「Teradata IntelliFlex」は、超並列処理(MPP)アーキテクチャーの次世代プラットフォームであり、ビジネス要件の変化にあわせて、コンピューティングパワー、ストレージ、メモリなどを独立した形で追加できるオンプレミスシステム。「MPPを新たな次元に引き上げることができるシステムで、将来に渡るアーキテクチャーになる。これからのテクノロジーを支えるものになる」と位置づけた。

 柔軟な多次元スケーラビリティを実現するとともに、インメモリの処理レベルが向上することで、従来モデルに比べて、1キャビネットあたり3倍のメモリパフォーマンスを実現するという。システムの規模を60分間で2倍に拡大。ダウンタイムを最大で87%削減できるという特徴も持つ。

 また、Teradata Database on Amazon Web Servicesをリリース。AWS Marketplaceからの提供を開始した。Teradata Databaseソフトウェアエコシステムの高度な分析機能が、年単位、時間単位といった従量課金などで利用できる。

 ラッゼスバーガープレジデントは、「AWS上で稼働する他のデータベースに比べて、145倍のクエリー処理が可能であり、さらに顧客クエリーのパフォーマンスは、他のデータベースでは123倍もの遅延が起こる。ブルーレイプレーヤーの購入者のうち、7日以内にHDMIケーブルを購入した顧客の行動を分析したいといった、よく使うような分析において、これだけの差がでることになる」とした。

 また、「AWSでのTeradata Databaseの稼働は、パブリッククラウド対応の第1弾となり、今後は他のパブリッククラウドにも展開していくことになる」としたほか、「オンプレミス、マネージドクラウド、パブリッククラウドという異なる環境においても、共通の機能を持っている。いずれもライトバージョンを用意しているわけではない」などと語った。 

 さらに、Teradataマネージドクラウドを2016年下期から欧州へ展開。オンプレミス、マネージドクラウドサービス、パブリッククラウドのリソースを組み合わせたハイブリッドクラウドとしての利用も可能にする。

 そのほか、Analytics of Thingsについても説明。データサイエンティストやデータエンジニアから構成されたIoT分析チームが新たなクラウドベースの分析ソリューションやサービスの開発に注力。Teradata Listenerのサポートによって、クラウドの配備とIoT向けに作成されたコネクタを提供するとともに、Aster Analyticsにより、IoT分析とScoring SDK用に設計された新アルゴリズムによるマルチジャンル分析を可能にするという。

オンプレミスでもクラウドでも分析サービスのリーダー

 会見では、テラデータ・コーポレーション エクゼクティブ・バイスプレジデント インターナショナル・リージョン&グローバル・サービスのダン・ハリントン氏がコメント。「いまや多くのデータが生成されているが、これには、人が生成するデータ、ビジネスが生成するデータ、機械によって生成されるデータ、接触により生成されるデータがある。これらのデータを収集し、アナリティクスを通じ、データから最大の価値を引き出せるように支援しているのがテラデータの役割である。そのために、分析ソリューションを簡単に提供することができる分析エコシステム、ビジネス課題に提要する高度な分析ソリューション、そして、多様で柔軟な実装形態を提供することで、要件に応じた環境を実現できる。テラデータは、実装、設計、管理、技術によって、差別化をもたらすことができる」とした。

 また、「オンプレミスの分析インフラ向けソフトウェアと技術においてベストな製品を提供していること、クラウドにおいても同様にベストな製品を提供しているなど、分析サービスのリーダーがテラデータ。ワールドクラスの才能を持つ人材を有しており、データと分析に関して、顧客を成功に導くことができる」と述べた。

 同日行なわれた同社の年次イベント「TERADATA UNIVERSE TOKYO 2016」では、同社の最新のソリューション展示に加え、トヨタIT開発センター、みずほ銀行、ヤフー、eBayといった国内外のユーザー企業によるビッグデータ活用やアナリティクス事例を紹介した。

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