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時代は変われど「仮想化に最適なストレージ」を提供し続ける

マルチハイパーバイザー対応を強化するティントリの戦略

2016年03月09日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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仮想マシンに特化したストレージ「Tintri VMstore」を手がけるティントリ。物理から仮想へ、そしてクラウドに時代が移る中、気がつけばストレージ市場のメインストリームに躍り出ている。米ティントリでアライアンスやビジネス開発を手がけるアンドリュー・リー氏に製品の戦略やビジネス概況を聞いた。

仮想化に特化したストレージが市民権を得る

 2008年に設立されたティントリは、仮想化されたアプリケーションとクラウドに最適化したストレージを提供する新興ベンダー。VMwareやネットアップなどのキャリアを持つメンバーで立ち上げられ、2011年に最初の「Tintri VMStore」をリリース。順調にビジネスを伸ばし、昨年にはいよいよオールフラッシュアレイも市場に投入した。現在、同社ではハイブリッドクラウドアレイの「T800」やオールフラッシュアレイの「T5000」、管理ツールの「Tintri Global Center」を展開。従業員規模はすでに550名にのぼり、米国のみならず、APAC地域にも積極的に進出している。

 米ティントリ アンドリュー・リー氏は、仮想化環境に注力してきた背景について「ユーザーの環境が物理から仮想へ移り、ワークロードもハイブリッドクラウドを行き来する時代になっている。すでにワークロードの75%が仮想化された現在(ガートナー調べ)、1人の管理者が支えなければならない仮想マシンは一気に増えている」と語る。一方で、エンタープライズストレージの市場はまだまだ大きく、クラウドや仮想化管理に対する支出も増えている。

米ティントリ EVP Business Development&Alliance アンドリュー・リー氏

 しかし、こうしたユーザーの動向にストレージは追いついていないという。「従来、物理マシンの時代では1つのストレージが1つのサーバーがひも付いていたため、管理はシンプルで、性能も担保できた。しかし、サーバーが仮想化され、ストレージがプール化されても、今までと同じやり方で管理してきたため、アプリケーションに対する最適化が難しかった」とリー氏は指摘する。これに対して、多くのベンダーはオールフラッシュアレイのような製品で「力業」で性能を担保しようとしている。

 これに対してティントリは仮想化とクラウドにフォーカスし、ハイブリッドクラウドへの移行を推進する「仮想化アウェアストレージ(VAS:Virtualization Aware Storage)」を展開している。「異なるアプリケーションを理解したストレージなので、物理でやっていたことを、仮想化環境できるようにしている。LUNやボリューム単位ではなく、すべてVM単位で性能を管理することが可能だ」とリー氏は語る。

物理から仮想、クラウドに移る中、仮想化に最適なVASを提供するティントリ

2年で3倍の投資をリピート購入に費やすユーザー

 ティントリの技術の中心はあくまでソフトウェアにある。Tintri OSで提供されている独自のファイルシステムを用いて、QoSやスナップショット、クローン、管理、自動化などをすべてVM単位で行なえるのが特徴だ。「VMに最適化されていること、使いやすいこと、データ管理のレベルが高いこと、エコシステムが充実していることが他社との大きな差別化だ」とリー氏はアピールする。似たようなことをやろうとしているベンダーは増えているが、ストレージに必要なスナップショットやクローンなどベーシックな機能が欠けていたり、対応のハイパーバイザーが限定的だったりといった弱点がある。その点、真の意味でのVASは現在もティントリだけだという認識だ。

 こうしたコンセプトを掲げたティントリのユーザーは、金融機関や医療、メディア、IT、通信、製造、公共など実に多岐に渡る。リー氏は、「すでに総計で50PB、50万VMで利用され、ユーザーの信頼を勝ち得ている」と語る。

 ワークロードに関しては、従来型のVDIのほか、ERPなどを含むサーバー仮想化など性能が重視される用途が増えているほか、通信事業者のクラウドでも利用されるようになっている。「クラウドサービスではマルチテナントやQoSを重視しての導入が多い。ユーザーにSLAを保証するためには、ストレージ側で性能を担保する必要がある。ここがティントリの強みだ」とリー氏は語る。

 面白いのは、リピート率が非常に高いという点。最初に製品を購入し、高い満足度を得たユーザーが追加購入するというパターンがきわめて多いという。「顧客満足度は95%だ。購入数のトップ25を調べても、2年で平均で3倍くらいの投資をしてくれる」とリー氏はアピールする。

オールフラッシュアレイはあくまで選択肢の1つ

 昨年発表したオールフラッシュアレイもあくまで選択肢の1つで、他社の戦略とはやや異なる。日本法人代表の河野氏は、「日本法人を始めたのは2012年6月。入社したときは仮想化のワークロードは全体の1/4しかなかったので、ティントリの製品はずいぶん割り切った製品だと思いました。でも、それから3年経ってマーケットが勝手に拡がっていった印象があります。7~8割のワークロードが仮想化される現状になり、ハイブリッドアレイと相性があわないワークロードもでてきた。だからオールフラッシュアレイ。仮想化に最適な環境を考えたら、オールフラッシュアレイが必要になってきたんです」と語る。

ティントリジャパン社長 河野通明氏

 実際、「オールフラッシュアレイが必須」という要求仕様が来て、ティントリ製品が選定された場合でも、検証中を経てハイブリッドアレイに変わってしまう事例もあったという。「そのお客様のアプリケーションは、実はオールフラッシュが必須というわけではなかったんです。弊社としては、仮想化環境に最適なストレージを提供することが重要で、オールフラッシュでも、ハイブリッドでもどちらでもいいんです」(河野氏)。

 リー氏は、「いくら高速なハードウェアを提供しても、バックアップジョブや仮想マシン上のデータベースの最適化など、ファイルシステムに依存する問題は解消できない。アプリケーションの性能もサーバーやネットワークの遅延まで含めたトータルな環境に依存する。われわれはこうした課題を理解した上で、データセンターのプロトコルである仮想化に最適なストレージ環境を提供する」とアピールする。

同一筐体に複数のハイパーバイザーを混在可能

 仮想化対応に関しては、VMwareやMicrosoft Hyper-VやRedHat Enterprise Virtualization、OpenStack Cinderなどに対応してきたが、先日発表されたTintri OS 4.1ではいよいよCitrix Xen Serverへの対応を発表した。「Xen Serverにはエンジニアリング系の強みがあり、実際に米国ではXen Server上でGPUを用いたCADの事例でTintri VMstoreが使われている。これで唯一のマルチハイパーバイザー対応のVASになった」とリー氏はアピールする。

 特徴的なのは、同一筐体内に複数のハイパーバイザーを混在させることができるという点。ある部門ではVMware、ある部門ではHyper-Vを使っている場合でも、Tintri VMstoreに集約することが可能になる。Docker対応のデモも披露しており、今後はコンテナ技術に関しても対応を拡げていくことになる。

 先日はコンバージドインフラを提供するニュータニックスがVMwareをワンクリックでKVMに移行する機能を提供し、「脱VMware」として話題になった。こうしたハイパーバイザー対応についてリー氏は、「われわれにとって重要なのは顧客やパートナーのニーズだ。エンタープライズの仮想化ではやはりVMware vSphereが多いし、クラウドプロバイダーではVMwareやHyper-Vのユーザーが使われている。パートナーがマルチハイパーバイザーを必要としていることを理解している」と延べており、特定のベンダーや技術に肩入れする方向にはないようだ。

 今後は特にアナリスティックの機能を充実していく予定。「分析の機能は多くのストレージが搭載しているが、あくまでアレイに特化したもの。われわれはアプリケーションの視点で分析できる機能を提供する。数百台の仮想マシンの性能を比較したり、キャパシティプランニング、リソースのリザーブなどをアプリケーションの視点から可能にする」とリー氏は語る。また、セキュリティやネットワークベンダーとの提携も進めるほか、複雑な機能をシンプルに利用できる使い勝手にも磨きをかけていく。

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