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文字量数えてみたら7000字あったけど気にしない!

「ピクサー展」ついに開催!感想&見どころ濃縮ガイド

2016年03月07日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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まずはピクサーの歴史から

 まずはイントロ、ピクサーの基本。出迎えてくれるのはルクソー Jr.だ。ピクサーのオープニングロゴでもおなじみのあのランプ。

 ピクサー・アニメーション・スタジオでジョン・ラセターが初めて監督をつとめた作品で、電気ランプの親子がボール遊びをする物語。記念碑的な意味として「ランプが照らすボール」はスタジオ作品のどこかに必ず登場しているとか。

 展示室の壁にはかなり詳しいピクサー年表。創業メンバーのひとりであるご存知スティーブ・ジョブズの似顔絵もあってかわいいぞ。歴史の話をするとみんな眠くなってしまうので、ちょっとだけかいつまんで紹介する。

 舞台はカリフォルニア。コンピューター技術者のエド・キャットムル、ジョブズ、アニメーターのジョン・ラセターが集まって生まれたのが、ピクサー・アニメーション・スタジオだ。今の形のピクサーがつくられたのは1986年だけど、年表は1970年代からはじまる。ルーカスフィルム時代の話があるからだ。

 ジョン・ラセターはもともとルーカスフィルムのコンピュータ部門にいたアニメーター。ルーカスフィルムのために作ったコンピューターアニメ「アンドレとウォーリーB.の冒険」は、米シーグラフ(SIGGRAPH)で上映され話題となった。

 その後ジョブズがルーカスフィルムのCG部門を買収して、設立したのがピクサーのはじまり。はじめは普通のアニメーションスタジオではなかった。

 ピクサーは、デジタル合成とデジタル形式でのアナログ写真再現技術を備えたハードウェア「ピクサー・イメージ・コンピューター」を開発していた。高度なボリュームレンダリング機能をもち、顧客は医療・政府機関だった。

 同じくディズニーのために開発していたのが、映像制作ソフト「CAPS」(コンピュータ・アニメーション・プロダクション・システム)。つまりピクサーはただのアニメスタジオではなくハードとソフトを開発するIT企業でもあったのだ。ルクソー Jr.は映像処理技術のデモという側面もあったわけ。

 1987年には複数の光源と背景を描き、さらに複雑な画像処理を施した短編映画「レッズ・ドリーム」を公開。1988年公開の映画「ティン・トイ」はアカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞しながら、翌年の1989年にはレンダリング用コンピューターやレンダリングソフトを開発している。

エドウィン・E・キャットマル、ジョン・ラセター、イーベン・オストビー、アルヴィ・レイ・スミス「ウォーリーB.のワイヤーフレーム」

 そういうこともあってピクサーといえばテクノロジーのイメージが強い。世界初のフルCG長編アニメ「トイ・ストーリー」を公開したのは20年前の1996年だ。

 しかしジョン・ラセターはこう言っている。

 「鉛筆がただの道具であるのと一緒で、コンピュータがアニメーションを生み出すわけではない。コンピュータアニメーションを創り上げるのはアーティストである」

 テクノロジーがあってアニメがあるわけではない。アニメがあってテクノロジーがあるというのがピクサーの考え方だ。「芸術はテクノロジーの限界に挑み、テクノロジーは芸術にひらめきを与える」ともジョン・ラセターは言っている。

 コンピューターはアニメーションの可能性を広げたが、同時に自分たちで細かいディテールをつくりださないかぎり何もないも同然。デジタルアニメの雄であるピクサーの裏側にあるアナログな熱量を伝えるのがこの展覧会というわけ。

 では、人々の心を動かすアニメとはどういうものか?やはりジョン・ラセターはこう言っている。

 「真に偉大なアニメーションをつくるには3つのことをする必要がある。観客が座席から身を乗り出すような人々の心をつかんで離さないストーリーをつくること。本当に印象的な魅力的なキャラクターたちをそのストーリーに登場させること。そして真に迫る世界をつくりあげ、人々の心をつかんで話さないストーリーと、印象深いキャラクターたちをその世界に融合させることだ」

 この言葉が象徴するように、展示は「物語」「キャラクター」「世界観」の3要素を色濃く伝える内容になっている。

 はっと気づいたら文字量が1200字を超えており、我ながらどうなってるんだという感じだが気にせずどんどん行く。イントロを抜けた通路にはバズ・ライトイヤーの姿が見えてきた。「トイ・ストーリー」だ!無限の彼方へ、さあ行くぞー!

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