レトロで復刻デザイン的な文脈を持つクラシックカメラ風デジイチが定期的に登場する。その元ネタを知ったら、より楽しいかも?というのがこの企画。
ちまたのカメラマニアの間では、ミラーレス一眼PENシリーズの最上位モデル『OLYMPUS PEN-F』の登場で盛り上がっているが、若い人のなかには元祖ともいえる銀塩カメラ『ペンF』を知らない人もいるかもしれない。そんな人のために宮野コレクションに収蔵されている実機を特別にお見せするとしよう。
1コマで2枚取れる、ハーフサイズ一眼
そもそも『オリンパス ペンF』とは1963年に登場した世界初のレンズ交換可能なハーフサイズ一眼レフ。ハーフサイズとは銀塩フィルム時代に一般的だった35mmフィルムの半分の面積を使用するもので、同じフィルムでも倍の枚数を撮影することができ、まだフィルムが高価だった当時では重宝された。
『PEN F』最大の特徴は、一眼レフなのに上面に三角形のペンタプリズムがない独特のボディー形状。これはハーフサイズは縦長の画面なるで、通常では上下に可動するミラーを左右に可動させてしまおうという斬新な発想で実現した。
宮野コレクションの『ペンF』は、正確には1966年に発売された2代目で、露出計やセルフタイマーが搭載された上位モデル『ペンFT』という機種。程度のよいブラックボディーはかなり貴重で、10数年前に中古で出会ったとき、迷わず衝動買いしたことを覚えている。
露出計の電源に使用する水銀電池「MR9」はすでに製造が終了しているが、酸化銀電池「SR43」を代用できるアダプターが発売されているので安心。(もっとも肝心の露出計自体の精度が若干怪しいが・・・)