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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第42回

2015年を振り返りつつ、2016年の格安SIMを占う!

2016年01月14日 12時00分更新

文● 正田拓也

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特徴あるサービスや他の組み合わせが増える

OCN モバイル ONEでは、同社のIP電話サービスやクラウドストレージの利用はデータ通信容量のカウントがされないという機能を提供開始した

OCN モバイル ONEでは、同社のIP電話サービスやクラウドストレージの利用はデータ通信容量のカウントがされないという機能を提供開始した

 高速通信が3GBで税抜月額900円というのが現在の月額料金相場だが、2016年は2015年のように倍々ゲームで増えることはなく、多少は変動するものの、あまり大きく変わらないと見ている。

 それよりも特徴あるサービス提供が増えるほうが多いと予想している。例えばOCN モバイル ONEのように自社のIP電話サービスやクラウドストレージの利用で消費したデータ量は、カウントの対象外とするような制度が、他社にも広がる可能性がある。

オンデマンド動画の受信にはデータ容量がカウントされないというJ:COM MOBILE

オンデマンド動画の受信にはデータ容量がカウントされないというJ:COM MOBILE

 また、J:COM MOBILEのように自社の動画配信分は高速通信量カウントなしというものも登場した。ただし、J:COM MOBILEは2年契約や、端末の実質0円提供などがあり、格安ではあるものの一般的な格安SIMよりも既存大手キャリアに近いサービス提供となっている。

 そのほか、考えられることは、自宅の光ファイバー回線とのセット制度や、2016年4月スタートの電力自由化に絡んで家庭の電気契約とのセットなども登場する可能性がある。

 ただし、加入に慎重になったほうがいい。確かにセットとすると安くなるものもあるが、サービスの選択肢が縛られてしまう。そのため、組み合わせるサービスを変更したくなったり、他に良いサービスが登場したりした場合に制約が出る可能性があるほか、後でもっと自分に有利なサービスに出たり発見した場合に、気軽に変更ができないからだ。

 一般的に後出しのサービスのほうが有利なので、新しいサービスやキャンペーンが出たとしても、十分に確認してから決断したほうがよいだろう。

今後は料金と品質のバランスが重要になる

 高速通信の量と価格は同じでも、実際にどれだけ快適に通信ができるかどうかは事業者によって差が出ている。現在でも混雑する時間帯にほとんど通信が止まってしまうような格安SIM事業者と、実効通信速度があまり下がることなく快適に通信できる格安SIMがあるなど、品質に違いははっきりとある。

 そして、日々改善されたり、逆にユーザーの集中で遅くなるなど、評価は一定というわけではないが、改善がすぐに行なわれるところとそうでないところなど、評価も定まってきた。

 ネットでは常に速度の評価などがなされているため、極端に品質の低いサービスが淘汰されずに残っていくことは考えにくいが、より一般化する過程で、質よりも宣伝重視の格安SIMが登場したり、安い料金ゆえに、通信したデータのセキュリティー的に怪しい格安SIMが登場する可能性もある。

2016年は格安SIMが一般的に普及する!?

 以上のことから、2016年の予想を一言でいうなら「格安SIMの一般化」。アーリーアダプターの需要がほぼ一巡すると見られるため、自分で調べて端末を選び、自分で設定していた初期の格安SIMから、店で店員に相談して加入したり、その気がなかったのに通りがかった家電店で格安SIMに乗り換えてしまうケースが増える。

 これは、既存大手キャリアの大盤振る舞いがなくなり、料金が変わるという報道や話題を受け、格安SIMに注目が集まるという傾向も含んでいる。

 また、家の通信回線だけでなく、自由化が話題の電力やその他のサービスとのセット料金という制度も拡大すると思われる。

 今までのように端末、回線、契約期間がシンプルだった格安SIMからは少し変化してしまうかもしれないが、他のサービスとの絡みで格安さにより磨きがかかる可能性もある。今年も格安SIMで通信サービスを安く使おうというしている人には見逃せない1年になりそうだ。

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