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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第149回

世界初の裏側にある狙い

「ダフト・パンクをやりたい」KORG“歌うシンセ”のこだわり

2016年01月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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サンプラーじゃなくなったアナログ・ドラム・マシン

―― 各パラメーターのオートメーションが効くわけですけど、DS-10はシーケンサーで編集できました。iDS-10は?

金森 できます。RECをしてノブを回すと、その動きが記録されます。それからノブを長押しするとシーケンサーの画面が出てきて、ここで直接オートメーションを編集できます。

RECモードにしてノブやスイッチを動かすと、その動きも記録される。それがオートメーション機能。パラメータが記録されたノブは目盛りが赤くなる。画像の場合はVCFのCUTOFF

そのノブを長押しすると、パラメーターが記録されたシーケンサーの画面に。ここで編集操作ができる

―― おお、そんなことができるんですか! これってマニュアルには?

金森 はい、書いてあります。ノブやスイッチ、大半のパラメーターでこれができます。

中島 ここは、かなり進化しているポイントですね。この部分はiPhone 6sの「3D Touch」にも対応しています。押し込む動作で画面が切り替わります。

―― じゃ、ますますでっかいiPhoneに変えないとならないですね。そして次に増えたものは、ドラムパートです。

中島 ドラムの音色設定をするシンセパートですね。

新設されたアナログ・ドラム・マシン。音源はキック、スネア、ハイハット1/2、タム、パーカッションの6種

―― DS-10のドラムパートは、シンセで設定した音色をサンプリングして発音させていたわけですよね、ハードの限界もあって。リアルタイムに音色を変えられない代わりに、サンプリング音源として扱えるので、エフェクトを掛け録りして、再生時にピッチを落とすと全然違う音が作れたり。

金森 そういうDS-10の良さはあったんですよね。今回はキック、スネア、ハイハットというドラムサウンドを作るための近道を優先しました。

中島 これはプラットフォームが違うので、もう少しビギナーの方にも入っていけるようなと、そういう観点からです。犠牲にするものがあったとしても、そちらを重視するということです。

金森 もしDS-10同様にドラム用にシンセが用意されていたとしても、そこからキックやスネアの音を作る方法は知っている人だけにしかわからない。それで、最小限のパラメーターの操作で、ドラムの音が作れるようにしています。

―― でもドラムパートをベースとして代用したりはできないんですね。DS-10の頃は、シンセパートの少なさをそれでカバーしていました。それがでないのは、ちょっとさみしい気もするんですが。

金森 うーん。ドラム以外の音に使えた、というのはよくわかります。そこは、もう最後までねばって議論したよね。

中島 それで、iDS-10の場合は「ボイス」をシンセっぽく使う手があります。ボイスというのもシンセですから。デモソングでもボイスパートをシーケンスフレーズに使ったりとか、そういうパターンもありますね。

(次ページでは、「ボイス・シンセサイザーがマイク/テキスト入力両対応は実験中の賜物」)

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