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クラウドネイティブの到来に元祖国産クラウドが生み出す価値

安定運用に高い評価!IIJから見たクラウド市場とGIOの強み

2015年12月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月18日、インターネットイニシアティブ(IIJ)はクラウドサービス「IIJ GIO」の新サービスや利用動向に関する説明会を行なった。緻密なカスタマーサーベイから編み出されたユーザー動向を元に、あらゆるクラウドリソースを統合する「One Cloud」のサービスコンセプトを推し進める。

7割のリソースをクラウド化する企業が増加

 プライベート・パブリックのクラウドを統合する「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(以下、IIJ GIO P2)とSDNをベースにした新型ネットワークサービス「IIJ Omunibus」の投入で、サービス強化を進めた「IIJ GIO」の戦略を説明する今回の説明会。IIJ サービス推進本部 GIO推進部長 神谷修氏は「カスタマーサーベイから見るクラウド市場とIIJ GIOの顧客利用動向」というタイトルで講演し、IIJ GIOユーザーの動向について説明した。

IIJ サービス推進本部 GIO推進部長 神谷修氏

 まずIIJ GIOの利用者属性は情報通信・SIer・コンサル、サービス業、製造業、商業、金融・保険など偏りなく分布しているという。直近の傾向としては「弊社がパートナー販売を積極的にやっていることもあり、SIer・ISV・コンサル経由での販売比率が高まっている」(神谷氏)とのこと。年商での企業規模では1000億円超が14%、1000億円以下が28%とエンタープライズ比率も高いが、3割を占めるボリュームゾーンは10~100億円規模になっている。

 同社が情報システム部(インフラ・開発)を中心に行なったカスタマーサーベイを見ると、ITシステムで重視することを見ると、「安定運用」が95%と圧倒的に高く、運用管理コストの抑制がそれに次ぐことがわかったという。既存システムのクラウド化と新規開発の割合は完全に半分ずつになり、オフィスIT系やB2Cサービスの基盤、コーポレートサイトキャンペーンサイト、基幹システムでの利用が多い。「2年前と比較すると、既存の割合が10パーセント程度増大している。クラウドイネーブルの傾向が強まっていると考えられる」と神谷氏は分析する。導入に関してもユーザー部門の発言力が高まっており、約半数で業務・ビジネス部門が導入に関与しているという。

ITシステムで重視するのはやはり安定運用

既存システムのクラウド化が加速中

 興味深いのはクラウド活用の実態に関する調査だ。システムリソースを7割以上GIOで稼働させる企業は13%に達し、フルクラウドに向かう企業は増加している。一方で、10%しか使ってないところも半分以上あり、この割合をいかに下げるかが今後の課題となる。

7割以上のシステムリソースをGIOで稼働させる企業が13%にのぼる

 IIJ GIO以外のクラウドの利用に関しては、7割以上のユーザーが複数のクラウドを併用している状態。特にAWSは圧倒的で、3割強のユーザーがGIOと併用しているほか、グーグル、さくらインターネット、マイクロソフト(Azure、Office 365)などのシェアが増加している。「あくまでIIJ GIOと併用しているユーザーを見る限り、昨年から国内データセンターでの展開を開始しているSoftLayerやVMwareは現時点では伸びていない。国内の事業者もさくらインターネットをのぞけば導入比率は伸びていない」とのことで、大手事業者への寡占が進んでいることが見て取れる。「適材適所でパブリッククラウドを積極的に活用しているお客様が増えている」(神谷氏)。

IIJ GIOと併用するクラウドサービスはAWS、グーグル、さくらインターネット、マイクロソフト(Azure/Office 365)などが多い

 クラウド化を検討するシステムとしては、ハイブリッド/マルチクラウドやバックアップ/DR環境の検討が多い。「数年前はデータの遠隔地保管が多かったが、今年においてはシステムをリカバリし、継続的に利用できる環境が求められている」と神谷氏は語る。

安定運用や性能、セキュリティに高い評価。一方、コストは?

 こうした中、IIJ GIOはユーザーにどのように捉えられているのか。まず前述したITシステムで重視されている安定運用に関しては、品質やサービスレベルの改善したと答えるユーザーが9割、稼働率・信頼性の満足度も95%に達している。「障害の発生件数がオンプレミスに比べて少ない、障害時の停止時間が減った、SLAに沿って運用されているといった部分が評価されている」(神谷氏)。

IIJ GIOは安定運用に関する評価が高い

 運用コストに関しては、30%以上削減したという評価が3割強にのぼる一方、2割近いユーザーはコストが増加したという。「まずコストに関しては、今後もがんばらなくてはいけないとは思います。とはいえ、DRや可用性など+αの効果もあり、コスト増加を前提にしているお客様もいるので、一概に満足度が低いわけではない」と神谷氏は分析した。一方で、性能面や事業継続性、セキュリティ面に関しては非常に満足度が高く、クラウド移行に対する懸念は解消されているようだ。

運用コストの評価はかなりバラバラ、性能面は満足

事業継続性やセキュリティレベルは満足度が高い

 神谷氏は、「クラウドイネーブルが定着」「ユーザー部門の影響力が高まり、クラウド用途の多様化と適材適所のパブリッククラウド利用が加速」「ハイブリッド/マルチクラウド、DR環境の本格導入が進む」「利用者がITシステムとして重視する内容に対して、IIJ GIOの評価は高い」とまとめた。

(次ページ、クラウドネイティブに向けて自由度を高めたIIJ GIO P2)


 

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