「若者のPC離れ」なんてことも言われる今日この頃。確かに、スマホやタブレットが手元にあれば、わざわざPCを買わなくても……などという向きもあるのかもしれない。
しかし、PCにはPCの使い勝手のよさがあり、やはり1台ぐらいは手元に置いておきたいものだ。最近では「でもお高いんでしょう?」ということもなく、3万円台で十分実用となるPCを入手できる。
しかも、ノートPCはもちろん、スティック型PCや小型デスクトップPCと、コンパクトなサイズで生活の邪魔にならず、スマホやタブレットなどと共存できる製品も多数登場している。本特集ではそんな3万円前後で買える低価格PCの魅力を解説していく。
第一回目となる今回は、スティックPCについて紹介しよう。
似ているけれど個性もあり!
満足できるスティックPCを選ぶ
USBメモリーをちょっぴり拡大したぐらいのサイズの筐体に、HDMI出力端子が直付けされた、いわゆる「スティック型PC」。
テレビやディスプレーのHDMI入力端子に直接差し込めばそのままPCとして利用できる。何しろ小型・コンパクトなので、持ち歩いても苦にならない。普段は自分のデスクの液晶ディスプレーに差して使っていて、持ち出して出先にあるディスプレーにスティック型PCを差し込めば、自分の普段使いの環境をそのまま持ち出して、マイPCとして使うことができる。
もっとシンプルに、居間の大型テレビでPCを使いたいというときやYouTubeなどのネット動画を観たいなんてときだけに起動するお手軽リビングPCとして活用することもできる。
そんなスティック型PCだが、キーボードやマウスといった入力装置は付属しない。当然ながら光学ドライブも物理的に搭載不可能。そういった共通点と、スティック状の外観からほとんど製品差はないように見える。
実際のところ、スペック的には現状(2015年11月初旬)時点で購入できるスティック型PCの基本スペックはほぼ共通で、以下のような感じだ。
- CPU:Atom Z3735F(1.33GHz、クアッドコア、Intel HD Graphics内蔵)
- メモリー:2GB
- ストレージ:eMMC 32~64GB
- インターフェース:USB 2.0、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11b/g/n、microSDカードスロット
- グラフィック:フルHD(1920×1080ドット)
- OS:Windows 8.1 with Bing 32bitまたはWindows 10 Home 32bit
これらの基本スペックを比較すれば、どの製品を選択しても「ほぼ同じ使い心地」と言っても過言ではない。ただし、価格は1~3万円とやや開きがある。
2~3万円のややお高めの製品では、内蔵ストレージが一般的な32GBから64GBに倍増されていることがある。また、当然といえば当然だが、「Microsoft Office」がプリインストールされている製品もお高めクラスとなっている。
搭載OSは徐々に「Windows 10 Home 32bit」へと移行しているようだ。同一ハードながらWindows 10搭載製品はWindows 8.1搭載製品より数千円高額となる。もちろん「Windows 8.1 with Bing」もWindows 10への無償アップグレード対象なので、購入後すぐにでもアップグレードが可能ではあるが、その一手間を省く意味合いのある価格差といえるだろう。
また、現行のスティック型PCはすべてCPUに「Atom Z3735F」を採用する。このAtom Z3735F、基本的にはファンレスで動作するが、先行した一部製品が排熱不十分で動作が不安定になるという評判が広まった。
そのせいか、現行製品では小型ファンを内蔵する製品が多くなっている。今後の製品もファン内蔵型が主流となるだろう。
スティック型PCの使い勝手を左右する1つの要因に、搭載されているUSB 2.0の端子数がある。詳しくは後述の製品レビューで触れるが、USB 2.0ポートを1基搭載している製品では、初期設定でUSBハブがほぼ必須となる。
手軽にセットアップを済ませてすぐ運用を開始したいというなら、搭載USBポートの数のチェックは欠かせない。
いずれにしても、1万円台から高くても3万円台で購入できるスティック型PCはいまオススメの低価格PCであるのは間違いない。
(次ページへ続く、「いまどんな製品が売っているの?スティック型PCカタログ」)
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