第3回 魁!! アスキービジトク調査班R

白色から青色へのクラスチェンジ・アイテムを大公開!

確定申告は青色がお得! 白色から青色への変更方法を教えます

MOVIEW 清水 モデル●有野いく

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青色申告へのクラスチェンジには2つのアイテムが必要
そして残念! 今から書類を提出しても来年には間に合わない

「さっそく今日から青色申告用の帳簿を付けますよ!」

ジサトラ ハッチ 「じゃあ、今日からさっそく『弥生会計』で帳簿を付け始めますよ! これで来年の確定申告は青色でバッチリでしょ!」

宮原 「ところがそうはいかないんです。青色申告するには2つの書類を提出する必要があって、それにも期限があるんです」

いくちょん 「確か3月15日までに提出すればその年から青色申告できるのでは?」

宮原 「3月15日までというのは正しいのですが、書類を提出した年の分の申告なので、実際に青色申告になるのはその翌年の申告からになります。ここは勘違いしやすいポイントですから注意してください」

「そんなぁ~」

ジサトラ ハッチ 「じゃあ、仮に今日書類を提出しても次の確定申告には間に合わないってこと!?」

宮原 「はい。平成26年以前から白色申告をしていた方が平成27(2015)年度分を青色申告するには、平成27年3月15日までに書類を提出していなければなりません。つまり、もう過ぎてしまっているので、これから提出しても平成28(2016)年度分からということになります」

いくちょん 「でも今から準備しておけば、来年分を青色申告できるわけですね」

宮原 「その通り! 平成28年3月15日までに書類を提出すれば、再来年の確定申告は青色申告でできますよ」

青色申告するために必要な2つの書類とは?

ジサトラ ハッチ 「なら今年の分は諦めるとして、来年分を青色申告するには何が必要なんですか?」

いくちょん 「開業届と青色承認申告申請書の2つですね」

宮原 「はい。正式には、開業届は「個人事業の開廃業等届出書」、青色承認申請書は「所得税の青色申告承認申請書」と言いまして、今年開業した方なら両方、それ以前から白色申告の方は青色承認申請書を提出する必要があります」

ジサトラ ハッチ 「それを平成28年3月15日までに提出すればいいと」

青色申告するためには、まず「開業届(個人事業の開廃業等届出書)」と「青色承認申請書(所得税の青色申告承認申請書)」の2枚を税務署に提出しよう

宮原 「そうですね、平成28年分(平成29年申告)から青色申告する場合はそのとおりです。ちなみに今年開業された方は、原則として開業から2ヵ月以内に青色承認申請書を提出しないとだめだったんです!」

ジサトラ ハッチ 「……でも、今まで白色申告でやってきた人は、開業してすでに2ヵ月以上経ってるような?」

宮原 「うん、なので今年の分はだめなんですね。ちなみに開業届のほうは、税務署に対して“個人事業主として開業しました”という意思表示をするための届け出で、開業の日から1ヵ月以内に提出することになっています。ただし、開業届が未提出でも罰則はありません。

 ですから、“毎年白色申告しているけれども開業届は提出していない人”もなかにはいらっしゃるかもしれません。この場合は、今までの申告で事業を行なっているのはわかりますから、青色承認申請書だけ提出するとよいですね」

フリーランスの開業日=“仕事を請け負う”と告知した日

いくちょん 「そういえば開業日って、何をもって開業というのでしょう?」

宮原 「お店を開く人は、そのオープン日ですね。これは事業として売上が立つようになった日のことで、オープン前に内覧会を開いたり、スタッフのトレーニングをしていた期間というのは開業準備期間になります」

ジサトラ ハッチ 「ライターとか、お店のない職業では?」

宮原 「その場合には、他に対して独立しましたと知らせたときになります。今日から個人事業主として仕事を請け負いますと告知しないと仕事はもらえませんよね。ですからその告知をした日が開業日となります」

いくちょん 「青色承認申請書はその日から2ヵ月以内に提出すればいいのですね」

宮原 「そうです。例えば6月1日に開業したら、2ヵ月以内の7月31日までに届け出なければなりません。ただし例外として、1月1日から1月15日の間に開業した場合は2ヵ月までではなく3月15日までに提出すればOKです。また、相続で事業を引き継いだときは4ヵ月以内など、期間が違う場合があります」

お店を持っている個人事業主の「開業日」は、そのお店で初めて売上が立った日。ライターのようにお店を必要としない個人事業主の場合は、仕事を請け負うと告知した日になる

開業届と青色承認申請書提出、その注意事項は?

ジサトラ ハッチ 「基本的に、2つの書類は一緒に提出すれば済むと。そもそも、どこに出せばいいんですか?」

「基本的には、現在住んでいる場所の税務署に、開業届と青色承認申請書を提出します」

宮原 「開業届と青色承認申請書はセットで提出すると思っておけばいいですね。提出先は、納税地を管轄する税務署です」

いくちょん 「住んでいるところとお店の市町区村が異なる人はどうすれば?」

宮原 「店舗が別の場所にあって、そちらを納税地にしたい場合、その事業所を納税地にすることはできますが、その場合には変更届を提出する必要があります。また、いくつも事業所があったとしても、個人の申告を取り扱う場所なので、納税地は1ヵ所になります」

「もし、帳簿を付けてないのに青色申告したら……(ゴクリ)」

ジサトラ ハッチ 「だんだんわかってきました。提出後に注意しなければならないことってあります?」

宮原 「青色承認申請書を提出しても承認したという通知は届かないということでしょうか。基本的には提出した年の年末までにNGが出なければ承認されたものとみなされます」

ジサトラ ハッチ 「もし、もしもですよ。青色申告に切り替えたのに、帳簿を付けていなかったらどうなりますか?」

宮原 「確定申告時にはあくまで申告書を提出するだけで、税務署もそれを受理するだけです。当然、帳簿を持っていくこともありません。しかし、申告内容を調査されたときに帳簿を付けていなかったことが判明すると大変です」

ジサトラ ハッチ 「怒られると(笑)」

「怒られるだけじゃ済みません! 嘘はダメ、絶対」

宮原 「それだけでは済まないですね。帳簿がなければ、さかのぼって青色申告が取り消されます。つまり65万円の控除はなかったものとして修正申告しなければなりません。家族への給与や、赤字の繰り越しなどの、他の特例もすべてなくなります」

いくちょん 「(笑)では済まないので、帳簿は付けてくださいね」

ジサトラ ハッチ 「はい……」

いくちょん 「では実際に青色承認申請書を作ってみましょう。申請書はここからPDFファイルをダウンロードできます。次のページではその書き方をご紹介しましょう」

(次ページでは、「青色承認申請書への記入で詰まりやすい箇所を解説!」)

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