支払いはNFC……ではなくQRコードが主流
中国のネットサービスとの親和性が高い
Android搭載レジスターを販売するショップは、「従来型のPOSに比べて軽くて持ち運びに便利!」「Windows搭載機と比べても、タッチ操作に親和性がありビギナーにも操作しやすく、省電力で、しかも海賊版OSではなく正規版OSを搭載している!」とアピールする。だが、それ以上にAndroid搭載レジスターには導入にメリットがある。
Android搭載レジスターのPOSソフトについては、見る限り各製品で違いがあり、特にこれといった定番ソフトはないように見える。
一方で共通しているのは、中国では当たり前となったQRコード読み取り機能だったり、QRコードを利用した、エスクローサービスで使う電子マネー「支付宝」「微信支付」ほか、各ネットサービスの対応である。そして本体ではなくクラウドストレージに保存するのも特徴だ。
中国のオンラインショッピングサイトといえば、「淘宝網(タオバオ)」という名前は聞いたことがあるはず。
ほかにも「天猫(tmall)」や「京東(jd)」といったサイトが有名だが、ここで使うのが「支付宝」などのエスクローサービス。
最近ではユーザーへの金のバラマキで騰訊(Tencent)の「微信支付」も利用者が増えて2強状態となっている。スマートフォンに支付宝や微信支付アプリをインストールし、店でスマートフォン上で支付宝や微信支付のQRコードを見せて、支付宝や微信支付のチャージから代金を支払う行為が普及しているのだ。
ほかにも普及するクーポンサイトも同様にQRコードを活用する。
日本における中国人観光客の決済にも有用かも!?
中国ではパソコンに代わりスマートフォンが情報端末の主役となり、さまざまな新サービスがスマートフォン向けに登場。ライフハックに積極的な若者を中心にお得なサイトやネットサービスに活用されている。
こうした流れの中で、店側も客をつかむためには今のトレンドに親和的なAndroid搭載レジスターの導入は一理あるわけだ。
日本では中国人の爆買いが話題になっているが、その中国人を呼びこむために、日本のショップやレストランやホテルなどが、支付宝や微信支付をはじめとした中国人向けネットサービスを導入するだけでなく、この手のAndroidレジスターを日本向けにアレンジ(Androidなので難しくはないだろう)したものを導入するのも、手軽でアリかもしれない。
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