日常生活ではSNS伸長の陰でメール使用率は徐々に低下
Thunderbirdを世界で2番目に使っているのは日本だった!
2015年10月19日 09時00分更新
OutlookとGmailの二強
日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール調査2015」(2015年7月)から、仕事におけるメールの利用状況と実態を見てみよう。
仕事で周囲とコミュニケーションをとる主な手段は、「メール」(98.33%)が最も多く、「電話」(92.67%)、「会う」(82.27%)となった。続くFAXなどと大差をつけており、やはりこの上位3つが主な仕事上のコミュニケーション手段であることは変わらない。
一方、「Facebook」(15.73%)、「LINE」(10.93%)、「Skype」(10.33%)などのソーシャルメディアも、ビジネスシーンでコミュニケーション手段として利用されている。
ビジネスメールの送受信で主に利用するメールソフトについて複数回答で尋ねたところ、Outlookが31.47%、Gmail(Google Apps含む)が31.27%でほぼ同率で2位以下に大差を付けてトップ。続いてThunderbirdが11.07%、WindowsLiveメールが9.53%、Becky!Internet Mailが6.53%、Notesが6.07%、Outlook Expressが6.00%などとなった。
やはりプリインストールされているOutlook系、環境を問わずにどこでも利用できるWebメール、特にスマートフォンでも利用しやすいGmailが強いようだ。
仕事で周囲とコミュニケーションをとる際の主な手段(複数回答可) | ||
---|---|---|
手段 | 使用率 | |
1 | メール | 98.33% |
2 | 電話 | 92.67% |
3 | 会う | 82.27% |
4 | ファクス | 20.67% |
5 | ビジネス文書 | 17.60% |
6 | テレビ会議 | 16.93% |
7 | 15.73% | |
8 | グループウェア | 13.80% |
9 | LINE | 10.93% |
10 | Skype | 10.33% |
11 | 手紙 | 5.60% |
12 | Microsoft Lync | 4.73% |
13 | ChatWork | 4.73% |
14 | ブログ | 1.60% |
15 | 1.33% | |
16 | Google+ | 1.33% |
17 | 0.47% | |
― | その他 | 2.00% |
日本ビジネスメール協会調べ
日本はThunderbird使用ランキング2位
世界ではどのような環境でメールが使われているのだろうか。HTMLメールテストサービス会社Litmus調べ(2015年9月)によると、2011年から2014年までで、モバイル端末でのメール利用は8%から48%と6倍に増加。一方、デスクトップPCでのメール利用は58%から22%へと半分以下に減っているという。
またMozillaによれば、メーラー「Thunderbird」における国別のDAI(Active Daily Installations、デイリーアクティブインストール。DAIを3倍すると月間アクティブユーザー数となる)ランキングは以下の通り(2015年2月時点)。
1位はドイツで全体の約18%を占める。ヨーロッパ諸国が並ぶなか、続く2位にアジア勢で日本が唯一ランクインし、全体の約10%を占めているのだ。ThunderbirdのDAIは2009年1月には500万弱だったが、2015年1月には900万を超えており、日本での人気の高さは注目しておきたい。
Thunderbirdにおける国別のDAIランキング(2015年2月) | |
---|---|
国名(DAI) | |
1 | ドイツ(1,711,834) |
2 | 日本(1,002,877) |
3 | 米国(927,477) |
4 | フランス(777,478) |
5 | イタリア(514,771) |
6 | ロシア連邦(494,645) |
7 | ポーランド(480,496) |
8 | スペイン(282,008) |
9 | ブラジル(265,820) |
10 | 英国(254,381) |
― | その他(2,543,493) |
合計 | 9,255,280 |
Mozilla調べ
現在、メールはPCだけでなく、スマホやタブレットなど、あらゆる環境で利用されている。今後、モバイル端末からの利用がどこまで伸びるのかに注目していきたい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎エデュケーション新書)の他、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki
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