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サイバーソリューションズの企業向けクラウド型メール、遠隔バックアップも標準搭載へ

CYBERMAILΣがメール容量を100GBへ、グーグルやMSに対抗

2015年09月17日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 サイバーソリューションズは9月16日、企業向けのクラウド型メールサービス「CYBERMAILΣ(シグマ)」のメールボックス容量を、1アカウントあたり100GBに増量すると発表した。遠隔サイトへのリアルタイムバックアップ/DR機能を標準提供する予定も明らかにしている。

発表会に出席したサイバーソリューションズ 代表取締役社長の秋田健太郎氏

クラウド型メールサービス「CYBERMAILΣ(シグマ)」のWebインタフェース

 サイバーソリューションズは、企業向けのメールソリューション(オンプレミス/クラウドサービス)を提供する独立系ソフトウェアベンダー。国内1万5000以上の企業(約140万アカウント)が利用するメールシステム「CyberMail」をはじめ、メールアーカイブやメールセキュリティの分野でも製品を開発、提供している。

 クラウド型のCYBERMAILΣは2009年から提供しており、現在の利用者数は約20万アカウント。月額500円(税抜)という低価格で、アンチウイルス、アンチスパムの機能も標準搭載している。またオプションとして、メールアーカイブ/監査システム「MailBase」の機能も提供している。

CYBERMAILΣは2009年から提供しており、現在は約20万アカウントの利用者がいる。顧客規模は50人から1万人までと幅広い

「これならば文句あるまい!」とメールボックス容量を5倍に

 これまでCYBERMAILΣのメールボックス容量は20GBだったが、これを10月1日から100GBへと増強する。新規顧客だけでなく既存顧客も対象で、サービス価格は据え置き。

 100GB化の背景について、サイバーソリューションズ 社長の秋田健太郎氏は、メールが大容量化しつつある中で営業先から「50GBくらいは欲しい」という声が上がっていたためと説明する。実際、CYBERMAILΣの競合サービスである「Office 365」はすでに50GB、「Google Apps」も30GBのメールボックスを提供している。

現行のCYBERMAILΣと、同価格帯の競合サービスとの比較。「Google AppsやOffice 365と競合することがほとんど」(秋田氏)

 「正直に言うと、現状の20GBでも大半のユーザーが使い切るには時間がかかる。ただ、競合と見比べると『見栄え』が悪い。それならば、こうしてやろうと思って」(秋田氏)

「これならばお客さんも文句あるまい!」と、価格据え置きで100GB化

 ハードウェア提供元パートナーとも調整し、「どうせなら中途半端なことをやってもしょうがないので」(秋田氏)、一気に100GBまで拡大することにしたという。

遠隔バックアップ/DR対策も標準サービスとして追加へ

 さらに、今年末をめどに、CYBERMAILΣではメールデータの遠隔/リアルタイムバックアップ機能も提供を開始予定だ。メールサービス(データセンター)に大規模障害が起きた場合でも、障害発生のおよそ1分前までのメール送受信データが保護され、業務メール環境をDRサイトで即座に復旧する。

 具体的には、CYBERMAILΣにクラウド型メールアーカイブサービス「MAILBASEΣ」を組み合わせ、遠隔サイト間でメールデータを相互にバックアップしておく仕組み。障害発生時にはバックアップデータと「CYBERMAIL EMERGENCYΣ」を利用して、業務メール環境を即座に復旧する。

西日本にDRサイトを新設し、直近1カ月ぶんのメールデータを相互に遠隔バックアップする。万が一障害が発生した場合でも、すぐにメール環境を復旧できる

 ただし、遠隔サイトにリアルタイムバックアップされるのは、直近1カ月間の送受信メールのみだ(フルバックアップは別途行われている)。これについて秋田氏は、業務メールシステムを短時間で復旧させることを優先した結果だと説明した。

 「フルバックアップからのリカバリ処理には、われわれの規模で数日間かかり、顧客の業務停止が長期にわたってしまう。しかし、現実には直近1カ月ぶんのメールデータさえあれば、ひとまずは業務が復旧できると考えた」(秋田氏)

 そもそも、CYBERMAILΣはサービス開始からの6年間、サービスの完全停止はゼロ、データロストもゼロだという。秋田氏も、よほどのことがなければこうした備えの必要はないと認めつつ、「われわれは顧客企業のメールシステムを守る役割を負っているので、ここまでやる」と強い意気込みを語った。

 「競合はマイクロソフト、グーグルという、誰もが知っているような巨大な会社。われわれのような弱小会社が張り合うには『意地』を見せないといけないので、こんな発表をしてみました」(秋田氏)

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