日本マイクロソフトは、同社新年度が始まる2015年7月1日付けで、社長に平野拓也氏が就任。前社長の樋口泰行氏が会長に就任した。
それとともに、これまで樋口会長が使っていた社長室を平野社長が使用する一方、樋口会長は従来会議室としていたスペースを改良して、会長室を新設した。ふたりの部屋は、社員が使用するフリーアドレスの机を挟んで向かい合う形で置かれており、少し大きな声を出せば、お互いの部屋の入口から会話ができるという距離にある。
本来は入ることができない会長室・社長室だが、このほど特別に、樋口会長、平野社長ふたりの許可を得て、部屋を訪れる機会を得たので、その様子をレポートしたい。
荷物はわずか引き出しひとつ分!
デジタル化を徹底、ペーパレス化推進の平野社長
平野社長の社長室は、樋口会長が使っていた部屋をそのまま譲り受けたものだ。
窓からは、JRの線路が見えて眺めもいい。
ところが部屋に入って驚いたのは、まったくといっていいほど書類がないことだ。まだ移動してからすぐということもあり、そのせいかとも思ったが、平野社長は「これで全部」だという。
もともと紙を使わないタイプのようで、社長室に移動する際に持ってきたものは、ダンボール1箱だけ。しかも、半分埋まるかどうかという量だったという。
そこで、僭越ながら机の引き出しの中も拝見させていただいた。すると、持ち物が入っている引き出しはわずかひとつだけ。ほかの引き出しは空っぽのままだ。唯一使っている引き出しの中も、名刺やはちみつキャンディーなどが入っており、やはり半分程度埋まっているだけ。「これ以上、増えることにはならないだろう」と平野社長は笑う。
「味気なくてすみません」と、逆に謝られてしまう始末だった。
ただ、棚に何もないのはあまりにも寂しい。樋口会長が使っていたときには、日本マイクロソフトが世界ナンバーワン子会社の表彰を受け、トロフィーを授与されたときの写真など、いくつかの写真が飾られていた。
「実は、写真立てを置こうと思っていたのだけど、タイミングを逸してしまって、そのままになっている」と平野社長。「入社5年ごとにもらえるトロフィーでも飾ろうかな」と、棚を埋めるためのプランを明かす。だが、この調子ではあまり部屋の中は賑やかにはならないだろう。
日本マイクロソフト社内では、ペーパーレス化が進んでおり、その中でも平野社長のペーパーレス化はダントツだろう。「東欧を担当しているときに、徹底的にペーパーレス化に取り組んだ。その仕事の仕方が身に付いている」と語る。
実は部屋を見渡して気づいたのだが、プリンターも設置していない。これはペーパーレス化の重要な要素なのかもしれない。
「もちろん、お客様のところにお邪魔するときにはペーパーの資料を用意するが、自分でペーパーを使うことはない」という。
机の上には、Windows 10を搭載した「Surface Pro 3」を置いているものの、広い机の上には不釣り合いな感じもする。だが、これが平野社長の仕事スタイルのようである。
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