どうも、ジサトラ新入りのマツノです。
自作PCをはじめると、「オーバークロック(OC)」という言葉をよく聞くようになります。よく知らない方のためにざっくり説明すると、CPUやグラフィックボードなどのPCパーツを、メーカーが設定した定格クロック以上の速度で動かすことです。動作クロックが上がると処理能力も向上するので、PC性能を底上げできます。特にマシンパワーが求められるPCゲームなどでは、その効果を体感しやすいです。
設定変更だけで、費用をかけずにPCの性能をアップできるわけですから(電気代はちょっと増えるかもしれませんが)、当然一度は挑戦してみたくなりますよね。でも、ただでさえ初心者には取っつきにくい自作PCの、さらにマニアックなトピックなので、実際なかなか手を出せない方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、現在発売中の週刊アスキー特別編集「ゲームに強いパソコンがわかる本」から、「ゲームに効く! オーバークロック最新事情」特集の内容をちょっとだけピックアップしてご紹介します。
CPU、メモリー、GPUはオーバークロックが可能
ゲームならGPUのOCがオススメ
オーバークロックに対応するパーツは、CPU、メモリー、グラフィックボード(GPU)の3種類。動作クロックの変更にはいくつかの方法がありますが、CPUやメモリーはBIOSから、GPUはソフトウェアから変更するのが現在の主流です。すべてのパーツをオーバークロックしてもよいのですが、消費電力や発熱、システムの不安定化などのデメリットもあるため、一概にすべてのパーツの動作クロックを上げればいいというわけでもありません。
実際にPCゲームを快適にプレイしたい場合、まずはゲームの描画に大きく影響するGPUのオーバークロックにチャレンジするとよいでしょう。コアクロックが高ければ高いほど3Dゲームのフレームレートが上昇するため、いちばん手っ取り早く目に見える成果を上げることができます。
次に重要なのはCPUで、計算速度が求められるストラテジー系のゲームや、物理演算で膨大な計算を行なう箱庭系のゲームなら、より大きな効果が見込めるでしょう。メモリーは最も影響の少ないパーツですが、内蔵GPUでゲームをプレイするような環境下では、オーバークロックによりフレームレートが大きく向上するようです。
GPUコアの品質が一目で分かる「ASIC」ってナニ?
ロマンあふれるオーバークロックですが、実際には製品ごとに個体差があり、同じ型番、同じ名前の製品でも同じ結果が期待できるわけではありません。高い動作クロックに耐えられる個体もあれば、発熱が大きく結果が出しにくい個体もあるわけです。
実際に試してみるのが一番いいのですが、GPUの場合はコアの品質をあらわす「ASIC Quality」の値によって、その個体がオーバークロック向きかどうかをある程度把握できます。ASIC値は「GPU-Z」のようなソフトウェアから確認でき、基準値とされる70~75%を上回ればOC向き、下回ればOC用向きではない、と判断できます。
ASIC値が高いGPUはコア品質が高くリーク電流が少ないため、消費電力や温度が低くなるほか、メモリーコントローラーの品質もよく、クロックが上がりやすい傾向にあります。一方で液体窒素を利用する極冷オーバークロックの場合は、リーク電流が多く冷えに強い低ASIC値のGPUが活用できるようです。
奥深い競技オーバークロックの世界も!
PCのオーバークロック、競技化されているのをご存じでしょうか? 競技オーバークロックの世界では液体窒素を利用してPCパーツを冷却し、限界まで性能を絞り出す「極冷オーバークロック」なんてことも行なわれています。「PCの競技って地味じゃない?」と思うかもしれませんが、極冷中はPCから液体窒素の白煙が吹き上がるので、意外と見た目にも楽しいんです!
競技人口は3000人超、世界大会も実施されている奥深い世界なので、オーバークロックにハマッたら情報を集めてみるのもいいかもしれませんね。
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