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“ラズパイ”で「Windows 10 IoT Core」を動かす その2

2015年07月31日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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Windows 10 IoT Coreの舞台裏

 「"ラズパイ"で「Windows 10 IoT Core」を動かす その1」において、無事インストールが完了した「Windows 10 IoT Core」だが、従来のWindowsを想像すると肩すかしを食うことになる。何もしないままブートすると、デバイス情報画面が現れそれで終わりだ(言語設定は可能)。マウスとキーボードは反応するが、「スタート」ボタンもなければエクスプローラもない、それどころかコマンドプロンプトすら見当たらない。「シェル」に相当する機能がない、と理解すればいいだろう。

Windows 10マシンで「Windows IoT Core Watcher」を実行したところ。Windows 10 IoT Coreが稼働中のRaspberry Pi 2が検出されている

インストーラはマルチリンガル対応、日本語もサポートされている

 というのも、Windows 10 IoT Coreは基本的に“アプリプレーヤー”的な環境だからだ。あらかじめmicroSDカードに用意しておいたアプリケーション(ユニバーサル Windowsアプリ)をフルスクリーンで実行することが前提としてあり、タスクを切り替えつつ運用するという概念がない。複数のウィンドウを開いておき必要に応じて切り替える、というマルチウインドウの考え方も見られない。

 Windows 10 IoT Coreをブートすると表示される画面も、タネを明かせばなんのことはない、ブート後に起動するようデフォルトで設定されている「IoTCoreDefaultApp」というアプリだ。ソースコードはGitHubで公開されているので、チェックしてほしい。

 ところで、Windows 10ファミリーにおけるIoT Coreの立ち位置だが、Microsoftが掲げる「One Windows Platform」というコンセプトにおいては、“多様なデバイス上で動作するWindows”という点で明快だ。Windows Embeddedファミリーの流れを引き継ぎつつも、カーネルをひとつに集約し、アプリやドライバもIoT Coreに1本化するロードマップが示されている。そもそも「Windows 10がラズパイをサポートした」という表現には若干語弊があり、Windows Embeddedからの流れで評価すべき部分が大きいのだ。

Windows Embeddedファミリーの流れを引き継ぎつつも、カーネルをひとつに集約し、アプリやドライバもIoT Coreに1本化するロードマップが示されている

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