国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は7月24日、海底掘削調査船「ちきゅう」による調査の結果、海底下2kmの石炭層にて微生物のコロニーがあることを世界で初めて発見した。
これはJAMSTECを始め、国内外の大学・研究機関による統合国際深海掘削計画。青森県八戸市沖約80kmの海底を深さ2466mまで掘削、堆積物コアサンプルを採取。約2000万年以上前の地層に微生物の群集が存在することを発見した。微生物は微量ながら、石炭の起源である森林土壌に生息する陸生の陸性の微生物生態系と類似している。
さらに下層となる石炭層では、微生物の数は約100倍に増えることも発見。微生物を培養したところ、石炭のような物質からメタンを作り出す陸生起源の嫌気性微生物であることもわかったという。石油や天然ガスを作り出す生態系に陸生起源の微生物が寄与していることが推測できる。
今後、ちきゅうは高知県沖の南海トラフ域での掘削を行ない、特に地球深部からの熱上昇が生態系維持にどのように働くかなどの調査を進める。