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マイクロソフト・トゥディ 第154回

「Windows 10」でユーザー・企業にも変革を促すマイクロソフト

2015年07月24日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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「Windows 10」早期移行を企業に促すメッセージ

 Windows 10の無償アップグレードの1年間という期限だが、マーケティングの観点からは、ひとつの隠れたメッセージを読みれる。

 それは、企業に対してWindows 10への早期移行を促すという点だ。

 企業においては、登場した新OSが企業システムとして不具合がなく動作するかどうかを検証するために、長い期間をかけることが多い。1年以上かけるケースもあり、特に日本の大手企業の慎重ぶりは世界的にも際立っている。Windows XPのサポート終了に伴うOSの入れ替えにおいても、最新のWindows 8.1ではなく、多くの企業がOSとしてこなれてきたWindows 7を導入したのも、検証の結果という側面が大きい。

 当然、Windows 10についても、同様に検証した上で導入というプロセスを踏むことになるのだが、そこに影響してくるのがこの無償アップグレード期間である。

 この1年以内であれば無償で最新環境へと移行できるが、それを過ぎれば有償でのアップグレードとなる。企業がコストをかけずに最新OS環境に移行するには、残された期間は1年間ということになる。それまでに新OS環境への導入の決断を求めるメッセージとも受け取れるのだ。

「Windows 10」の延長サポート終了日が2025年10月14日(米国時間)であることも明らかにしている。Windows 7の延長サポート終了は2020年1月14日を予定

 マイクロソフトでは、Windows 10において数多くの新たな試みを実行し、変革に取り組むことになるが、それに伴い、ISVや販売店、そしてユーザーにも変革を求めているともいえる。

 1年間の無償アップグレードは、日本のユーザー企業に対しても、これまでの長い年月をかけて検証し、石橋を叩いて渡るともいえる導入プロセスを経てきたことに対して、新たな仕組みを促すものともいえるのだ。

 「最新OS環境の方が生産性を高めることができ、セキュリティに対してもより高いレベルのものを提供できる」と日本マイクロソフトでは説明する。

 日本のユーザー企業は、この1年間の無償アップグレードをどう捉えるのか。それもWindows 10によって注目される変革ひとつである。


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