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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第131回

Nokiaがスマホに再参入……はあり得るのか? 否定はせず

2015年07月22日 17時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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端末事業を切り離したはずの新しいNokiaからの「N1」
同社の長い歴史の中ではどちらも1コマにすぎない!?

 N1でAndroidを選択した理由については上記の通りだが、Nystrom氏に”2011年の2月に「Windows Phone」戦略に方向転換したときにAndroidを選ぶべきだったと思うか?”と聞いてみた。Nystrom氏は、「Androidでは差別化は図れなかった」と当時のCEO、Stephen Elop氏が当時語った言葉を繰り返した。

 さてそのElop氏がMicrosoftを退職することは以前取り上げたとおりだ。MicrosoftのCEOであるSatya Nadela氏はその後、Nokiaのデバイスとサービス事業部の買収について76億ドルの評価損を計上し、7800人規模の削減を行なうことを明らかにした。今後は年に数機種に絞るとしており、カテゴリーとしてはビジネス向け、コンシューマー向けのハイエンド、安価な機種の3つとなるようだ。かつでのNokiaの巨大な製品ポートフォリオを思い出すと、大幅なスケールダウンといえる。

 一方のNokiaのN1だが、中国では最初の2万台が数分で完売となったとのこと。Nokiaブランドは健在とMurlino氏は胸を張る。N1の名前には、「新しい始まり」と「ナンバー1」の2つの意味を込めているという。「新しいNokiaの最初の製品になる」とMWCでのブース担当者は説明してくれた。

 Microsoftに飲み込まれたNokiaのデバイスとサービス事業はいずれ縮小する運命だったのだろう。デバイス事業を失ったフィンランドのNokiaがどのような道をたどるのか。同社は今年創業150年。長い歴史を持つ新しいNokiaに注目したい。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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