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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第146回

老眼世代にも優しいチューナー登場

画期的すぎて認められない、そこから進化したコルグ最新チューナーとは

2015年07月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

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画期的すぎて認められなかった製品もあった

―― な、なんですか、DT-4って?

肥後 あったんですよ、画期的すぎて認められなかったチューナーが。

市川 あれ杉原さんとの初めての仕事でしたよね? 新しいことをやろうとして、なぜかこう、あんまり……。

肥後 そうなんですよねえ。

杉原 最近は個性的な表示の製品の人気も高いけど、当時はまだそこまでいってなかったんだと思うよ。

市川 まだYouTubeも普及してなかったんで、ユーザーにおもしろさは伝わりにくかったかも。途中から動画も作るようになったんですが。で、こんなチューナーです。

2007年発売「DT-4」のカタログ。当時の定価は6300円

―― あーっ、これ! 昨日、友達がライブで使ってましたよ。何これかっこいいじゃんって、写真撮ったんですけど。クルクル回ってチューニングが合う。友達もすごい気に入ってるって言ってました。

市川 ああ、ぜひ、よろしくお伝えください!

杉原 あれ、チューニングするのすごい気持よかったんですよ。まだ探せばあるところもあるみたいなんで、ぜひ使ってみてください。

肥後 弾いた瞬間に止まれば合ってるみたいな。残念ながら当時はあまり受け入れてもらえませんでしたね。ちょっと早かったんですかね。

大久保のライブカフェ「ひかりのうま」にて、たまたまDT-4を持ってきたシンセマニュピレーターの百々 政幸さん。ヤプーズの山口 慎一さんとコヒーレンスというユニットで活動中。冨田 勲さんのイーハトーヴ交響曲では、初音ミクとオーケストラの同期などのエンジニアリングも担当している

これが生産終了とは惜しい。周囲のLEDがクルクル光ってチューニングの状態がつかみやすいディスプレーが魅力。緑色LEDでクロマチック・チューナーのDT-4のほかに、6弦ベース/7弦ギターに対応した赤色LEDの「GT-4」もある

―― うーん、早かったんでしょうね。チューナーも楽器と同じで、慣れたものを長く使い続けたいんですが、モデルサイクルが結構短いですよね。

近藤 長く売っているものは、結構長く売ってますよ。DT-10は10年を超えていますし、OT-120も長いです。スタンダードとして世の中に普及したものは長く作っていますが、クリップチューナーのように技術的改善の余地があるものは、新しい商品が生まれているのかなと思います。

ストンプボックススタイルのギター/ベース用定番チューナー

オーケストラ用のクロマチック・チューナー。KORGの伝統的な針式メーターのスタイルを受け継いでいる

(次ページでは、「チューナーの未来像を聞く」)

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