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4K、8K、HDR……謎の用語が続々出てくる薄型テレビの基礎知識 第1回

VAとIPSの違いって何? 液晶テレビの基本動作を知る!

2015年07月13日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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実際にVA方式とIPS方式では
暗所と斜め見で画質が違う!

東芝の4Kテレビハイエンドモデル「REGZA Z10X」。50V型の実売価格は36万円前後

東芝の4Kテレビハイエンドモデル「REGZA Z10X」。50V型の実売価格は36万円前後

4Kミドルレンジモデルだが最新となる「REGZA G20X」。43型の実売価格は22万5000円前後

4Kミドルレンジモデルだが最新となる「REGZA G20X」。43型の実売価格は22万5000円前後

 VA方式とIPS方式、理屈としては異なるわけだが、実際の製品にその違いが出るのだろうか?

 東芝が最新モデルでVA方式とIPS方式を採用しているので、実際にその映像の見え方を比べてみた。

 VA方式のモデルは「50Z10X」、IPS方式のモデルは「43G20X」だ。液晶パネルこそ異なるが、どちらも広色域の直下型LEDバックライト(これは後で解説)を搭載し、今後登場するULTRA HD Blu-Ray規格で採用されたHDR技術(これは次回解説)にも対応できる最新鋭の実力を備えている。

REGZA Z10X(写真左)とG20X(写真右)で、黒画面を表示したところ。わずかだが49G20Xの画面が光っていることがわかる。ちなみに、この撮影時ではZ10XのLEDバックライトのエリア駆動はオフとし、パネル自体のコントラストの差を比較している

REGZA Z10X(写真左)とG20X(写真右)で、黒画面を表示したところ。わずかだが49G20Xの画面が光っていることがわかる。ちなみに、この撮影時ではZ10XのLEDバックライトのエリア駆動はオフとし、パネル自体のコントラストの差を比較している

 まずは暗室で黒画面(電源オフではない)を表示した状態の写真を見てみよう。画面表示や電源ランプが点灯していることくらいしかわからないが、左がZ10Xで右がG20Xだ。

Z10Xだけを黒表示として見た状態。写真では画面の黒浮きもなく、ほぼ非表示に近い黒が表示されているように見える(肉眼ではやや黒浮きが感じられるが)

Z10Xだけを黒表示として見た状態。写真では画面の黒浮きもなく、ほぼ非表示に近い黒が表示されているように見える(肉眼ではやや黒浮きが感じられるが)

同じくG20Xだけを黒表示として見た状態。こちらは画面全体がぼんやりと発光していることがわかる。肉眼ではその差はよりはっきりわかる

同じくG20Xだけを黒表示として見た状態。こちらは画面全体がぼんやりと発光していることがわかる。肉眼ではその差はよりはっきりわかる

 写真ではその差がわかりにくいのだが、右のG20Xの方がぼんやりと青白く画面が光っているのがわかる。実際に肉眼で見てみるとその差はもっと顕著で、これでVA方式とIPS方式のコントラスト比の差がよくわかる。

 すなわち、G20Xの方が暗い部屋で映画を見た場合、黒がグレーに光ってしまいコントラスト感が低下する「黒浮き」という現象が目立ちやすいのだ。映画を高画質で楽しみたいという人には気になる部分だろう。

寝ころびながら見るならIPSが有利

 続いては視野角の比較だ。基本的に視野角は水平方向の斜めから見たときの影響が重要だが、上下方向の視野角の影響もある。そのため、Z10XとG20Xの両方で画面の下から見たときと左横から見たときの映像を撮影してみた。

 角度としては、テレビの正面に立った位置を0度として、真横に立った位置を90度とすると、だいたい45度の位置としている。

Z10Xを左斜めから見たところ。こちらは明るさがさらに落ちているとわかる。右側にある白い花がグレーの背景に溶け込んで見えにくくなっていることに注目。左側の赤系の花の発色も鈍い

Z10Xを左斜めから見たところ。明るさが落ちていることがわかる。右側にある白い花がグレーの背景に溶け込んで見えにくくなっていることに注目。左側の赤系の花の発色も鈍い

G20Xを左斜めから見たところ。こちらは正面から見た場合とほとんど遜色がなく、左側の白い花もきちんと見えているのがわかる

G20Xを左斜めから見たところ。こちらは正面から見た場合とほとんど遜色がなく、左側の白い花もきちんと見えているのがわかる

Z10Xを斜め下から見たところ。横方向から見たときほどではないが、画面の明るさがやや落ち、色の発色も少々鈍っている

Z10Xを斜め下から見たところ。横方向から見たときほどではないが、画面の明るさがやや落ち、色の発色も少々鈍っている

G20Xを斜め下から見たところ。こちらは正面から見た場合との差がまったくないと言えるレベル。発色も鮮やかだし、細かな階調もしっかりとわかる

G20Xを斜め下から見たところ。こちらは正面から見た場合との差がまったくないと言えるレベル。発色も鮮やかだし、細かな階調もしっかりとわかる

 ここまで説明したとおり、右斜めから見た場合、斜め下から見た場合とも、G20Xの方が圧倒的に正面から見た場合の映像との差が少なく、視野角の影響が少ないとわかる。

 正面からのコントラストの高さと、視野角の影響はトレードオフの関係にあるので、テレビの真正面のベストポジションでテレビを見られる環境ならばVA方式が有利だし、斜め方向どころか自由な場所でテレビを見たい場合(テレビはラックに置いているが、自分は床に寝転んだ状態で見る、逆にテレビは床置きし、自分は立った状態で見るというような場合も同様)はIPSが有利となる。

 また、この視野角の問題があるせいで、量販店などでテレビを見比べたときにその実力を勘違いすることがあることも覚えておこう。あるテレビは正面に立って見ているが、見比べている別のテレビを斜めから見ているというような場合だ。

 見比べている(斜めから見ている)テレビがVA方式だとしたら、斜めから見てきれいに見えるわけがない。店頭でテレビの画質を見比べるときは、それぞれのテレビの正面に移動して見る。これが鉄則だ。

(次ページに続く、「バックライトの色も画質に影響する

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