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HDDやSSD、オンラインストレージを安全に活用するテクニック! 第2回

デフラグしてもいいの? SSDの“都市伝説”を解説!

2015年06月15日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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SSD都市伝説その3:デフラグしちゃダメ……
さほど気にする必要はないがWindows標準機能は使わない方が

 「デフラグしちゃダメ!」というのも、SSDにまつわる都市伝説の1つだ。デフラグとは断片化の解消、つまりは分散したデータをあちらからこちらへと移動するわけで、それに伴って書き換えが発生するから、寿命を縮めることになる……という流れだろう。

 結局は先ほど触れた「寿命都市伝説」に関連して誕生した都市伝説、と言えそうだ。

 しかし、寿命に関して気にするものではない、という結論が出ているのだから、デフラグに関しても実行して構わないこととなる。ただ、SSDのデフラグはHDDのデフラグとちょっと異なる。

 というのもSSDは、HDDとは異なりデータを「書き換える」仕組みになっているからだ。SSDがデータを書き込む場合、HDDのように上書きすることはできず、残っているデータを消去してからデータを書き込む必要がある。

 しかも、データの書き込みは「ページ」単位で実行され、データの消去はページをいくつか束ねた「ブロック」単位で実行される(ページサイズ、ブロックサイズはSSDの製品によって異なる)。

SSDのデータ消去&書き込みのイメージ

SSDのデータ消去&書き込みのイメージ

 データを書き込むときに、そのブロックのいくつかのページに分散したデータが残っており、データを連続して書き込みできない場合には、残っているデータをページ単位でほかの空いている領域にいったんコピーして待避させてからブロックを消去し、それから新たなデータを書き込むという手間が必要になる。

 さらに、空き領域に十分連続したページが存在するブロックが減ってくると、データを空き領域へいったん待避するときにも「ページ待避→ブロック消去→待避ページの書き込み」という手順が発生することとなり、さらに書き込むスピードが低下してしまう。

 ということで、SSDのデフラグでは、なるべくブロック単位の空き領域ができるようにデータを整理すれば書き換え効率がよくなるということだ。ところが、Windows標準のデフラグは、データを連続させて読み込むことで高速化を望めるHDDに向けた仕様。SSDのデフラグには向いていない。

「Defraggler」のメイン画面。もちろん、一般的なHDDのデフラグにも使える。あの「CCleaner」と同じPiriformの手によるツール。日本語化もされている

「Defraggler」のメイン画面。もちろん、一般的なHDDのデフラグにも使える。あの「CCleaner」と同じPiriformの手によるツール。日本語化もされている

 そこで利用したいのがSSDのデフラグに特化したツールだ。いくつかあるようだがオススメは「Defraggler」(入手先)というツール。空き領域に分散しているデータを整理して効率化してくれる。

 と、ここまで長々書いてはみたものの、実際にSSDでデフラグが必要になるのは、SSDをしばらく使い込んで、空き容量が減りつつある頃だ。空き領域が全領域の3割程度に落ち込んで、ついでに書き換え速度も低下していると感じるようなら実行すればいいだろう。

SSDの場合は拡張機能として「空き領域のデフラグ」が可能となっている

SSDの場合は拡張機能として「空き領域のデフラグ」が可能となっている

 また、SSD黎明期には「Windowsの自動デフラグ」がまるで脅威のような感じで扱われ、レジストリをゴニョゴニョして停止しないと……というようなことがささやかれていたものだ。

 しかし、Windows 7以降ではストレージがSSDだと認識されていればWindowsでの自動デフラグは実行されない仕様になっている。

次ページへ続く、「都市伝説その4:プチフリが発生する……

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