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Apple Watch発売前のウェアラブル市場はFitbitが大きくリード

2015年06月05日 19時00分更新

文● 末岡洋子

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 米IDCは6月3日(米国時間)、2015年第1四半期(1~3月期)の世界ウェアラブル市場の調査報告書を発表した。ウェアラブル端末は専業ベンダー、スマートフォンベンダーと競争が激しい市場だが、各社が力を入れつつある。Apple Watch発売直前の第1四半期の結果からは、立ち上がりつつある市場を巡り激しい戦いが繰り広げられている様子が明確になった。

 シェアトップとなったのは、フィットネス向けにリストバンドを提供する専業ベンチャーの米Fitbitだ。同期の出荷台数は170万台、前年同期から129.4%増加し、34.2%のシェアを獲得した。IDCでは、「Fitbitは世界のウェアラブルデバイス市場の明確なリーダーだ」とし、カジュアルなユーザーから本格的なアスリートまで多様なニーズに応えるラインナップが奏功したと評している。

 2位は中国のXiaomi。同社は2014年夏に「Mi Band」でウェアラブル市場に参入したばかり。前年同期は出荷台数がゼロだったのが、同期は280万台を出荷、シェア24.6%により2位となった。「Mi Bandの出荷が2014年下半期にスタートしたばかりだったことを考慮すると、素晴らしい業績だ。スマートフォンと同様にMi Bandのほとんどは中国市場で提供されているが、Xiaomiは国外への展開も計画にいれているようだ」とIDCはコメントしている。

 3位はGPSカーナビメーカーの米Garminで、70万台を出荷して6.1%のシェアをとった。同社はスポーツ向けのウェアラブル端末を提供している。

 4位はGalaxy Gearブランドでスマートウォッチを提供するSamsungで、60万台を出荷して5.3%のシェアをとった。5位はウェアラブル専業ベンダーの米Jawbone。4月に最新の「Jawbone UP4」を発表、出荷が遅れていたUP3の出荷を4月末に開始したところ。同期50万台を売り上げ、シェアは4.4%。なお、JawboneはPebbleとソニーを超えて5位入りとなった。

日本でも今夏の発売が予定されているUP3

 IDCによるとウェアラブルデバイス全体の出荷台数は8四半期連続で成長し、今期は1140万台に到達した。これは380万台を出荷した前年同期比の200%の成長という。通常、第1四半期は年末商戦が入る第4四半期の後で成長が鈍化するが、エンドユーザーの強い関心に支えられ、堅調に推移した。消費者のニーズに対し、ベンダーが多様な端末を提供する形で応じた点も付け加えている。

 IDCが今後の動向として注目するのは、もちろん4月末発売のApple Watchだ。「Apple Watchは他者が比較の指標とする端末になる」とIDCは予想しており、競合が市場の先端にポジショニングするために戦いを強いられることになると予想する。

 価格については、100ドル以下の端末が40%を占めており、このことでFitbitとXiaomiは3位以下と水をあけることができたとしている。約4万2000円からとプレミアム価格のApple Watchについては、「市場が高価な金額を払ってウェアラブルを購入したいかが試されるだろう」ともしている。

 なお、第1四半期には中国のHuaweiが「Huawei Watch」を発表するなど、今後も新規参入が続き市場はしばらく混沌としそうだ。

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