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使い込まないと味わえない「Vivaldi」の魅力

Vivaldiの日本人COO様、なぜ今さらブラウザー業界に参入ですか!?

2015年06月04日 09時00分更新

文● 雨宮 徹 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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──パワーユーザーが主体で開発すると、ライトユーザーは二の次になりませんか?

 動作速度を含めて、ヘビーユーザーに向けて注力した点が結果的にライトユーザー向きになっていることは多々あると思います。

 われわれがある機能を実装するときに、それは一般のユーザーには必要ないのではないかという視点はありません。パワーユーザーが必要だったら、その機能は実装しよう、と。ただ、ブラウザーを起動したときにボタンがいっぱいあって訳がわからないとパワーユーザーにとっても使い勝手は悪い。ユーザーインターフェースの作り込みという点には力を入れています。

 そういえば、Vivaldiは表示ページによってユーザーインターフェースの色が変わるんですよね。例えばTwitterに行くと水色になります。これはウェブページのCSSからキーカラーを解析して色を変えているのですが、これが意外なところで結構ウケているんですよ。「コスモポリタン」のサイトに行くとピンクになるので、編集部の方がこれがいいと記事にしてくださって(笑)。

──Opera Softwareに在籍されていた時期と現在では、パワーユーザーが求めるモノに変化はありますか?

 いやぁ、あまり変わっているとは思いませんね。もちろん外的要因による変化はあって、例えばデスクトップは4K、5Kと解像度が上がりディスプレーも大型化しています。そうしたニーズに応える必要はあると思います。パワーユーザーは最先端ハードウェアの導入率も高いので。

 ウェブサイトの開発者はそんな大型モニターのことを考えて設計しているわけではないので、ユーザーエクスペリエンスを担うのはブラウザーの役割です。その点Vivaldiでは、ひとつのウィンドーにサイド・バイ・サイドやグリッドといった分割で、複数のウェブページを表示できます。大きなモニターを使っているときにはとても便利な機能でしょう。

サイド・バイ・サイドで左右にふたつのウェブサイトを表示可能。タブを見ると2重になっているのがわかる

──なるほど。Vivaldiがパワーユーザーのニーズに真摯に応えていることは理解できました。しかし、ちょっと使っただけでは伝わりにくい気がします。

 今後はもっともっと積極的にコミュニケーションを図っていくつもりです。記者に対して積極的に説明する機会を設けるのはもちろんですが、WikiやFAQといったものもユーザーコミュニティーの方々の協力を仰いでもっと充実させていきたいと思います。

 またもう1点、インストールしたときに「あ、またこれもChromeの亜流なのか」と見た目で思われるとそれ以上に進まないので、ビジュアルで個性を出すことにも気を遣っています。機能がたくさんあるからといってボタンを並べすぎるとビジュアル的に引かれてしまいますし、ボタンにはない機能の存在をにおわせるヒントをちりばめるデザインの作り込みも大切にしています。

(次ページ「目的をもって使う人にこそ、Vivaldiの価値が出る」へ続く)


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