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Windows10で身近になるハイレゾオーディオ入門 第1回

ハイレゾ音源って? Windows 10を使う前に知っておきたいPCオーディオ基礎知識

2015年05月19日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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ハイサンプリングとハイビット化が
ハイレゾ音源のキモ

 高域の再生限界を高くするための方法が、ハイサンプリングだ。CDが20kHzまでの音を収録するために、サンプリング周波数を44.1kHzとしたように、リニアPCMではサンプリング周波数の約半分の周波数の音が再現できる。96kHzサンプリングならば48kHz、192kHzサンプリングならば96kHzまでの高域がカバーできる。

 これと同時に、音の大小の表現の幅も広げる必要がある。100kHzまで含まれるような音が存在する場所というのは、実はとても静かな森の中だったりするが、ごくわずかな音も再現できないと、周波数特性だけ100kHz近い再現能力があっても、実際の音として再生できないのだ。

 このために量子化ビット数を高める「ハイビット化」が行なわれた。16bitが24bitになったといっても、倍々で増えていくサンプリング周波数に比べて、数値的に大きな差が少ないようにも感じるが、bitというのは対数値なので、16bitは2の16乗、24bitは2の24乗。つまり、16bitとは65536で、24bitは16777216となる。倍々で増えていくどころではないほど数値は増えているのだ。

ハイレゾ音源の波形解析イメージ(左がサンプリングレート、右が量子化ビット数)

ハイレゾ音源の場合、目盛りが細かくなる

ハイレゾ音源の場合、目盛りが細かくなる

 ここで、グラフに目盛りをつけてアナログ波系を写しとっていくリニアPCMのデジタル記録に戻ろう。ハイサンプリング化とハイビット化で、グラフの目盛りが大幅に細かくなっていることに気付くだろう。

 デジタルデータが階段上の形状になるのは一緒だが、CDの44.1kHz/16bitと比べると、その階段がより細かくなり元のアナログ波形にどんどん近づいていく。すなわち、記録のための精度をより細かく(ハイレゾ化)したことで、元の波形に忠実な記録ができるし、なおかつハイサンプリング化で再生可能な周波数も40kHz以上もの音まで再現できるようになる。

 このように、デジタル化する情報量を大幅に拡大し、より原音に近い音を再現できるようにしたのがハイレゾ音源ということになる。

ハイレゾ音源はファイルを購入して入手する

ウォークマン公式音楽ストア「mora」。ハイレゾ楽曲が充実してきている

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オンキヨー&パイオニアイノベーションズが運営する「e-onkyo music」

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 ハイレゾ音源は、CDのようにパッケージ販売されず、多くの場合はファイルを有料で配信するサイトで購入し、PCのHDDなどにダウンロードして入手する。

 これは現代的な流通の変化でもあるのだが、実はハイレゾ音源はパッケージ販売もされている。DSD音源を収録した「スーパーオーディオCD」などがそうだ。Blu-ray Discもフォーマット上は192kHz/24bitをサポートしており、音楽ソフトなどでは96kHz/24bitのハイレゾ音声を収録しているものもある。

 CDのようにハイレゾ音源のディスクが決して成功しなかったのは、再生するための専用プレーヤーが必要だったため。要するにコスト負担が大きかったため広く普及するには至らなかったのだ。

 配信によるダウンロード販売ならば、再生機器はPCが主流になるので、新規にハードを購入する必要は減り、誰もが気軽に試せることもあり、現在のように広く普及することに成功したわけだ。

 ハイレゾ音源の購入は、配信しているサイトが異なるだけで、基本的にはiTunesでの楽曲購入と大きな違いはない。

 それでも戸惑う人が多いのは、記録フォーマットを選ばなければならないからだ。iTunesならAACかMP3かさえあまり気にせずに好きな楽曲を購入していたのに対し、ハイレゾ配信サイトでは、96kHz/24bitか192kHz/24bitかを選び、記録フォーマットを選ばなければならない。

 ちなみに、96kHz/24bitか192kHz/24bitかの選択は、音質的な意味では録音されたフォーマットを選択するのが一番いい(96kHz録音の音源なのに192kHz版を買ったとしてもスペック差ほど音質的に優れるわけではない)。再生するソフトやハード(音楽プレーヤーなど)が対応しているかどうかで選べばいい。

次ページへ続く、「ロスレス圧縮フォーマット「FLAC」が主流

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