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「レース競争力の源泉はリアルタイムのデータ分析力」ITディレクターが語る

名門F1チーム・ウイリアムズ、ITデリバリも“最速”を求める

2015年05月19日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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3年間で70の“デジタル変革”プロジェクトを実行する計画

 アバナードとの協業でウイリアムズが強化しようとしているのは、トラックサイドのテクノロジーだけではない。「ビジネス部門における効率性と戦略性の向上」「社内外とのソーシャルなコラボレーション」もターゲットだ。“デジタル変革”の実現に向け、2015~2017年の3年間で、合計70のプロジェクトを実施する予定だという。

 F1カーの設計や製造を中心とするビジネス部門では、ビジネスプランニングや生産性の改善、製造やデータ分析の迅速化を図っていく。ハックランド氏は、「これらもひとえにレース競争力強化のためだ」と述べ、アバナードのサポートにより「Office 365」や「Lync」を導入したことを明かした。

 また、コラボレーションの取り組みにおいては、ファン向けのWebサイトを「Microsoft Azure」を使ってリニューアルしたほか、「SharePoint」「Lync」などを活用して社内やパートナー、チームスポンサーとのコラボレーション環境を整えたという。こうした導入も、もちろんアバナードがサポートしている。

「Sitecore」CRMとAzureを使ってWebサイトをリニューアル。レース開催の週末にはアクセスが急増するため、Azureでスケール拡縮できる点が気に入っているという

 ハックランド氏は、ウイリアムズではマイクロソフトテクノロジーにフォーカスしているため、パートナーとしてマイクロソフトテクノロジーの導入に長けたアバナードを選択したと語った。「理論だけでなく実践的な、現実のデリバリにおいて、アバナードはリーダーだからだ」(同氏)。

 今後さらにアバナードに期待することは何か、という筆者の問いに、ハックランド氏は「ほかの業界における専門知識をウイリアムズにもたらすこと」だと答えた。

 「たとえば、金融業界の高度なデータ分析の知識や活用事例といった、他の業界におけるアバナードの経験を、われわれの競争力強化のために生かしてほしい。ウイリアムズが競合の後を追いかけるのではなく、常に先頭を走っていられるように」(ハックランド氏)

訂正とお詫び:初出時、名前に誤りがありましたので、訂正しました。(2015年05月20日)

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