Mountain 価格:98円
宙に浮かびゆっくりと回転する一つの山を延々と眺め続けるゲーム。朝・夜や季節の概念があり、四季おりおりの山を楽しめる。
初回起動時には書き込みのできる真っ白なスペースが出現し、簡単なお題と共に、文字でも絵でもいいから何か書けと要求される。お題は3つあり、すべて書き終えると山が出現。「お前は山だ、お前は神だ」と途方もないことを言われ、あとは画面の山を見ていればいいだけである。ちなみに、最初に書かされた絵や文字が山の生成にどう反映されているのかはまったくわからない。
ゲームらしい要素は、一時間に一回ぐらい山の上に降ってくる鉄骨や野球ボールなどをいじって遊んだり、キーボードを押すと鍵盤のように音が鳴るのを楽しむぐらい。別に投棄物を放置しても山が崩れたりはしないので、もう本当に好きに遊べばいい。
すべてが漠然としているので、意外とやめ時が見つからないのがポイント。筆者は山をぼーっと眺めたり、環境音を聞きながらうたた寝したり、キーボードで適当な楽曲のメロディーを弾くのに熱中していたら休日が一日潰れていたこともある。
「山を眺めるのはゲームなんですか?」とたまに聞かれるが、それは実際にプレイして判断してみてほしい。
The Graveyard 価格:498円
一人の老婆となり墓場をうろつくゲーム。非常に移動の遅い老婆を操作してモノクロの墓場を歩き回ったり、環境音に耳を澄ませて雰囲気を楽しめる。
無料のデモ版が存在し、製品版との違いは「老婆が死ぬかどうか」。製品版では墓地奥のベンチに座ると歌が流れて老婆が死んでしまうため、「金を払うと老婆が死ぬ」という、文字にすると非常に理不尽な状況に追い込まれるが、そもそもこのゲーム、老婆の死以外に区切りらしい区切りがない。
なお一部のコアなファンの間では、老婆をいかに速くベンチに座らせて昇天させるかを競うセルフタイムアタックが行なわれている。ベンチに座るためのターンを手早く済ませるのも重要だが、歌が流れ始めてから老婆が昇天するまでの時間が完全ランダムなので、どちらかというと短時間で死神を引き寄せる強運が求められる。
Cosmic DJ 価格:298円
とりあえず音楽の力で何でも解決していくゲーム。ステージごとに複数の楽器や効果音と4つのキーを駆使し、簡易的なDTMが楽しめる。適当にボタンをポチポチ連打していても良い感じに調整してくれる敷居の低さがうれしい。音の入力はタップのほか、よりシビアにタイミングを設定できるグリッドモードも用意。
一応ストーリーらしきものは存在するが、作曲パートの合間に流れる実写まじりのコズミックな映像がインパクト大であまり頭に入ってこない。また、ステージごとに表示されるメーターを一定の値まで満たさなければクリアできないとはいえ、適当に音を重ねていれば勝手に増えていくので気にする必要はない。あまり深く考えず、ぼんやり作曲を楽しむゲームだと思ったほうがいいだろう。
ステージで作曲した音楽はジャケットを作成して保存しておくことも可能で、PCへのエクスポートにも対応するなど、意外と本格派。本当にゲームなのか? いや、けっこう楽しいけど……。
The Lady 価格:399円
ちょっと怖い感じの女性が頭を振って敵を倒していくゲーム。2Dの横スクロールアクションだが、全体的にキャラクターがグロテスクで、起動するといきなり画面にスクランブルがかかったり、タイトル画面では心臓の鼓動のような音が聞こえてきたりと、とにかく生理的嫌悪感を煽る演出がウリ。
プレイヤーはおさげの女性(?)を操作し、降ってくるガラスや敵らしいキャラクターを頭突き(というか、風圧?)で始末しながら、現れるドアを開けて先に進んでいく。ステージギミックはささやかだが、同じ場所に長く居座ると大量のガラスが降ってくるなどの追い出しギミックはあるので注意が必要。またホラー要素一辺倒なゲームかと思いきや、ボス戦ではいきなり女性が顔だけになり、スペースインベーダーばりのシューティングに移行するシュール要素も兼ね備えており、侮れない。
昨今のインディーズゲーム界ではホラージャンルが盛り上がりを見せており、このタイトルもそうした試みの一つと言える。ホラージャンルのゲームはプレイヤーの恐怖感を煽るため、しばしば入り組んだストーリーや状況説明を挟みがちだが、The Ladyは設定をゲーム中で一切説明しないので、言語の壁を気にせずプレイできるのはいい。何をさせられてるのかよく分からない、とも言えるが。
あんまり怖いのは嫌だけど、ちょっとした刺激が欲しいという人はプレイしてみてほしい。
(次ページでは引き続きインディーズゲームを紹介)
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