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MUJI経済圏をExcelで分析する良品計画の責任者も登壇!

Power BI無償化でビッグデータ戦略を強化するマイクロソフト

2015年04月27日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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日本のサラリーマンはExcelだったら触る

 実際にExcelを使って現場でのデータ分析を行なっているユーザーとして、発表会では無印良品を展開する良品計画 WEB事業部長を務める奥谷考司氏が講演した。

 良品計画は国内に約400以上の無印良品の店舗、オンラインストアの「無印良品ネットストア」、公式Twitterでデータを収集している。2013年には買い物や店舗へのチェックインで溜まるMUJIマイルや店舗在庫を確認できるスマホアプリの「MUJI Passport」をスタート。“MUJI経済圏”内に複数あったIDをMUJI passportに名寄せしたことで、多くのデータが溜められてきたという。

 「21世紀型のCRMを実現する」(奥谷氏)というMUJI passportは開始2年で375万人の会員を確保し、まもなく400万人に達するという。「われわれの購買層は30・40代の女性が多いが、アプリにしたことで20代の方も増えてきた。100人レジに来ると、16人くらいはMUJI passportを提示してくれるようになった」(奥谷氏)。MUJI passportのユーザーは、提示しないユーザーに比べて1.7倍の購入金額となっており、ポイントの利用率や来店頻度も向上。これを受けて、MUJI passport経由の売上も、すでに全体の30%以上にまで拡大したという。

MUJI passportの2014年度上半期の実績

 こうして溜められたデータを効率的に分析するために導入されたのがExcel+Power BIだ。「アドホックに分析できるツールは持っていたが、定型帳票化はできてなかった。データ分析のスピードアップも課題だった」とのことで、4月1日からPower BIとMicrosoft Azureを用いたデータ分析を開始したという。Power BIの採用でこれまで5分かかっていたレポートの表示を約10秒で実現。「日本のサラリーマンでExcelを知らない人はあまりいないと思う。Excelで出してあげると、触りたくなる。だから、BIツールとしてExcelは重要」と奥谷氏は語る。

日本のサラリーマンに親しみやすいExcelをBIツールに採用

 発表会では、Excel導入で重視したスピードを披露すべく、4億件のデータを元にしたデモを披露。Twitter等で話題になった「体にフィットするソファー」の売上構成比を瞬時に引き出し、他の製品に比べ、20代男性が多いことをデータで実証した。デモを行なったチーフマーケティングテクノロジスト濱野 幸介氏は、「今まで店長の直感だったものが、データでまざまざと見せつけられる。裏に4億件のデータがあってもこのレスポンスで返ってくるので、現場受けするツール」と評した。今後はAzure Machine Learningの活用によるマーケティング施策の活用も進めていくという。

ビッグデータのサプライチェーン基盤を確立

 今回のPower BIのフリーミアム化に引き続き、マイクロソフトはビッグデータ戦略をより強化していく。先頃買収したDATAZENのモバイル向け製品を組み込むことで、対応プラットフォームを拡大。また、2月にはAzure Machine Learningを一般提供開始し、朝日カルチャーセンターでのリコメンデーションエンジンで採用された事例も発表された。さらにはRの分析技術を持ったREVOLUTIONを買収し、より高度な分析を可能にする。

ビッグデータの民主化のその先へ

 こうした製品の拡充を通して、マイクロソフトはバッチプロセスにおけるデータの収集や加工、保管、成形などを網羅するほか、Azureでのリアルタイムプロセスも拡充。ビッグデータを身近にするサプライチェーン基盤を構築することで、データ分析をより利用しやすくする環境を構築していくという。

ビッグデータを身近にするサプライチェーン基盤を構築

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