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イグ・ノーベル賞を受賞したあの研究の成果が食卓を変える

ハウス食品、「涙の出ない、辛みのない新しいタマネギ」作出に成功

2015年03月30日 18時45分更新

文● 行正和義/ASCII.jp

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ハウス食品、レシピサイトより

 ハウス食品グループは3月30日、切っても涙が出ない、辛みのないまったく新しいタマネギの作出に成功したと発表した。

タマネギ催涙成分生成の反応経路(Imai et al. 2002 から改変)

 タマネギを包丁で切ると涙が出るのは催涙成分(lachrymatory factor:LF)と呼ばれる物質が揮発するためで、これは生タマネギを食べた時の舌がヒリヒリする強い辛みを引き起こす成分でもある。ハウス食品では、これまでの研究により、タマネギの主要硫黄成分であるPRENCSOを基質とした2段階の酵素反応によって催涙成分が生成することを世界で最初に発見した(2013年にはこの成果によりイグ・ノーベル化学賞を受賞している)。

PRENCSO 含有量とタマネギ破砕時の催涙成分生成量(上)とアリイナーゼタンパク質と遺伝子の発現量(下)

 2段階の酵素の働きを抑えることで涙が出ない、辛みのないタマネギを作出できると考え、アリイナーゼの働きが既存タマネギに比べて著しく弱いタマネギを非遺伝子組み換え手法によって作出することに成功した。具体的には重イオンビームの照射による突然変異の誘発と照射集団からの選抜育種を繰り返したもの。主要硫黄成分PRENCSOの含有量自体は既存のタマネギと変わらず、催涙成分は著しく少ない。

 作出したタマネギの官能評価でも、辛みがなく甘みを感じ、食べた後も口の中にタマネギ臭が残らないという。ハウス食品では、オニオンスライスのように生食する場合でもこれまでは水にさらすなど辛み抜きを行うのが普通だったが、タマネギ本来の栄養を摂ることができる新しい食の広がりが可能になるという。

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