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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第58回

単位の話とApple Watch 「時間」は数少ない世界共通の単位?

2015年03月18日 17時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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Apple Watchが刻む「時間」は世界共通の単位

 Apple Watchが扱う「時間」は、世界共通の単位のようです。

 国によっては暦の違いはあり、正月が複数あったりもしますが、1秒、1分、1時間という時間の単位はおおむね世界で共通して使うことができます。しかも、昨今のパソコンやスマートフォンと同じようにネットワークを介した補正によって、ほぼ狂いがないことをウリにしています。

 実際、世界共通のものを探すのはなかなか難しかったのですが、スマートフォンは「モバイル」「インターネット」といういきなり少し高度な共通項にチャレンジし、結果的には世界中に普及の波を作り出しました。

 その点で言えば、Apple Watchはもう少し根源的な共通項である「時間」をテーマにして、世界的な共感を誘おうとしています。

 確かに、他のスマートウォッチやウェアラブルデバイスは、これほど「時計であること」「時間」にこだわった紹介をしていません。ふと、なんでAppleは「こんなに時計機能を推しているんだろう?」と思うこともありましたが、世界共通のテーマをきっかけにするためだったと思えば、納得できます。

 ガジェットとしてApple Watchを見ると「できてしかるべき」という印象しか持たれない、文字盤の細かなカスタマイズにもこだわっていて、非常にたくさんの種類の表示方法が用意されました。

 アナログ時計、デジタル時計、暦など、時計らしさと、今までの時計では表現できなかった「時間」も見せてくれそうです。

Apple Watchで変わる「時間」

 時間は共通、と書きましたが、つまり平等なリソース、と考えることができます。ただ呼吸をするだけの1秒もあれば、何かを考える1秒、とっさの判断をする1秒なども存在します。

 できるだけ、1秒ごとを自分のものとして活用し、成長や努力、リラックスなど、コントロールしたい。そんな意識をApple Watchによって向けることができるかもしれません。

 パソコンやスマートフォンで設定したスケジュールは、iPhoneを介してApple Watchに入ってきます。例えば、人と会う約束以外にも、「自分はこの時間に、この仕事を終わらせるんだ」という自分のタスクをスケジュールに入れると、自分のすべきことと残り時間をApple Watchで管理できます。

 あるいは「ポモドーロ・テクニック」のように、25分の集中と5分の休息というパターンで生産性を高める時間の使い方も、より取り入れやすくなるでしょう。

 Apple Watchは、時計のカスタマイズだけでなく、時間のカスタマイズにも踏み込むことが期待できます。このことは、iPhoneを爆発的に普及させたAppleによる「調整」のようにも見えます。

 スマートフォンは、コミュニケーションの量を爆発させ、また活用するアプリの量を大幅に増やし、「スマホとそこに入ってくる通知のケア」だけで1日が過ごせるのではないか、と思えるくらいに手がかかる代物になってきました。

 Apple WatchはiPhoneに届く通知も伝えますが、簡単な反応なら手首だけでこなします。またランニングなどの際は、iPhoneを家において出かけても、音楽を聴きながらワークアウトのトラッキングが可能です。

 Apple Watchが作るのは「iPhoneから離れる時間」。そして1秒ごとにフォーカスしていく感覚。このあたりは、Apple Watch向けに既存のスマホアプリが移植される以上に楽しみな部分だと思いました。

 せっかくなので時間に関するアプリも、たくさん登場してほしいなと思っている今日この頃です。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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