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ゲームに、創作に。“てんこ盛り”の最上位モデルを試す

持ち運べるデスクトップ級マシンをブン回せ!-NEXTGEAR-NOTE i5702

文●天野 透、編集● 鈴木誠史/ASCII.jp

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持ち運べるワークステーションとなりうる性能

 さて、ここまで性能が高ければ、「NEXTGEAR-NOTE i5702PA1」をモバイルワークステーションとして使えるのではないだろうか。CINEBENCHのOpenGLテストデータが良いので、本来GeForce系が苦手なMayaなどのCADソフトも動くかもしれない。そこで「SPEC viewperf」を用いて、CAD系ソフトの快適性を測った。結果はごらんのとおり。

「SPEC viewperf 12.0.1」でCAD系ソフトの快適性を測った

 特に定番CADソフト「maya」の結果が60オーバーと、良い成績だ。DirectXが得意なGeForceマシンの環境でわざわざ高価な業務用CADソフトをセットアップする例はあまりないだろうが、こういったワークステーション的な使い方もできる可能性があるというのは非常に面白い。

 そこで今回は「NEXTGEAR-NOTE i5702PA1」を、一風変わった音楽編集のワークステーションとして試してみた。テスト内容はプロの音楽編集現場で使用される、ソニークリエイティブソフトウェア製の波形編集ソフト「Sound Forge Pro 11」を利用した192kHz/24bit音源の編集である。

Sound Forgeにハイレゾ音源を複数取り込み、Wavesプラグインを用いた音声加工作業を行なった。「Sonyボリューム」プラグインで音量を絞り込んだあと「S1ステレオイメージャー」でステレオイメージを広げ、「Renaissance Axx」で音量を拡張して音にエネルギーを込める。これをバッチ処理でCD1枚分のデータをまとめて処理するというもの

 普段筆者が使用しているマシンは少々古めの自作機で、CPUはCore i7-920(Bloomfield)なのだが、普段この作業をすると軽く別の作業ができるくらいのアイドルタイムが発生する。その感覚でおにぎりを食べようとしていたら、なんと1分で作業が終了。「これはそろそろ環境を見直すべきかもしれない」と、そう思わせられる結果となった。

ゲーム専用機にしてしまうにはもったいない

 とはいえ、「NEXTGEAR-NOTE i5702PA1」の価格は30万2184円。プロユースならばまだしも、ゲーム機としてはいささか高価だ。そういった場合はスペックを絞り込めばいい。

 18万3384円からの最小構成でも、グラフィックは評価機と同じGeForce 970Mを搭載する。CPUはCore i3-4160で、ストレージはSATA接続のHDDとやや見劣りするが、これらのパーツはカスタマイズが可能だ。必要に応じてハイグレードなものを選べる。SSDは複数ブランドから選択できる上に、CPUクーラーやグリスといった細かい点までチューンナップに応じてくれるところが、いかにもG-Tuneらしい。

 今回のレビューの感触では、高性能モバイルワークステーションとして使えそうだ。例えばアマチュアのミュージシャンが「NEXTGEAR-NOTE i5702PA1」を導入すれば、自室でも演奏場所でも同じマシンを使用することができる。優秀なグラフィック機能のおかげで、映像編集だって快適だ。

 持ち運べるサイズに大きなデスクトップマシンと同等の性能を凝縮したと考えれば、これは驚異の小ささである。純粋なハイエンドゲームマシンはもちろんのこと、「NEXTGEAR-NOTE i5702PA1」はクリエイティブユースやプロユースなどでも検討する価値があるマシンである。

マウスコンピューター/G-Tune
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