第三試合
女色ディーノ・ヨシヒコ vs マサ高梨・DJニラ
この対戦カード、実は試合前から気になっていた。「女色ディーノ」は、DDTプロレスの名物ゲイレスラー「男色ディーノ」がリング☆ドリームで女体化した際の名前。他のレスラーは基本実名でゲーム内に登場しているのだが、女子プロが題材のゲームなので、やむを得ない名称変更だろう。要するに、現実にそんな名前のレスラーは存在しないのだ。果たしてどんな選手が登場するのか、もしや今回限り、女色に目覚めたディーノが登場するのでは……など、勝手にあれこれ詮索してしまった。
さて、青コーナーのマサ高梨・DJニラが入場し、いよいよ……というところで、突然会場内にアナウンスが。なんでも、出場予定だった女色ディーノは、会場内にあまりにも女性客が少ないため、試合をボイコットしたとのこと。代わって出場するのが「ヤル気まんまんの」男色ディーノであることが告げられると、会場は大盛り上がり。さらに観客への注意として、男色ディーノとヨシヒコがゲイであること、入場時に好みの男性客に襲い掛かる可能性があることなどが伝えられた。布袋寅泰の「スリル」にあわせて入場したディーノはいつも通り男性客に襲い掛かり、原作者のでいしろう氏にリップロック(キス)をかけるなど、会場を混乱に陥れた。
試合序盤は腰の引けたマサ高梨に対し、ディーノの男色殺法が炸裂する。ひとしきり満足したらしいディーノがヨシヒコに代わると、今度はダッチワイフヨシヒコが2人がかりでボコボコにされ、シューズが片方脱げてしまう、断崖式ブレーンバスターでリング外に放り投げられるなど、散々な展開に。
しかし、ヨシヒコも徐々に反撃を開始する。ビッグブーツで串刺し攻撃を返し、コーナーからのダイビングボディーアタックでマサ高梨をダウンさせると、再びディーノにバトンタッチ。ディーノはタイツを降ろし、Tバック姿でのしかかり攻撃を繰り出すなど、相手に苦痛を与えていく。
最後はディーノ・ヨシヒコとDJニラがリング上で2対1となり、ヨシヒコの人工衛星ヘッドシザースに続けて、ディーノの男色ドライバーからの漢固めで3カウント。試合後、協賛のミクシィから勝利者賞が渡されたが、ディーノは女性担当者を睨み付け、男性担当者にリップロックを掛けるなど、終始やりたい放題だった。
第四試合 ロイヤルランブル戦
ヤス・ウラノ、彰人、MIKAMI、遠藤哲哉、佐々木大輔、平田一善 with ニコニコお兄さん、のの子、宮武俊、清水愛
第四試合は9人による男女混合のロイヤルランブル戦。通常のバトルロイヤルと異なり、試合開始時点では2名のみがリングに上がり、一定時間ごとに次々と選手が入場してくるのが特徴だ。3カウントフォール、ギブアップのほか、トップロープを超えて場外に足をつけると失格で、最後まで残った選手が勝利となる。
最初にリングインした平田、佐々木の攻防を第3入場者ののの子がかき乱し、4人目の遠藤哲哉が入場したあたりからは混沌とした展開に。リング上でもリング外でも争いが繰り広げられ、もはや誰が失格なのかもよく分からない中、最後は声優としても活躍する清水愛が彰人・平田をダブルフォール。協賛のniconicoから勝利者賞として、5月に開催される「ニコニコ超会議2015」への招待券が授与された。
第五試合
竹下幸之介・紫雷イオ vs 大石真翔・木村響子
セミファイナルの第五試合は男女混合タッグマッチ。木村がゴング前から現役大学生レスラーの竹下を挑発するも、最初にリングインしたのは紫雷。木村は紫雷にはヘアホイップを連発し、スイッチして出て来た竹下の頬をつまんで引っ張るなど、荒々しい戦いぶりで歓声を浴びる。
試合は大石・木村組が連携攻撃を仕掛ける局面が多くなり、竹下・紫雷組はやや劣勢に。それでも竹下は長身を生かしたボディスラムや打撃技、紫雷は飛び技で応戦し、辛抱強く試合を進めていく。
最終的にはリング上で2対2となり、紫雷は木村を場外に出してのケブラーダ、竹下は得意のジャーマンで大石から3カウントを奪い、勝利した。
第六試合
高木三四郎 with シンギナツキ・飯伏幸太・KUDO vs HARASHIMA・入江茂弘 with でいしろう・アントーニオ本多
メインイベントは6人タッグマッチ。団体の看板レスラーである飯伏とHARASHIMAがいきなりリングインし、素早い攻防で会場を盛り上げる。高木大社長とアントーニオにスイッチすると、高木大社長はアントーニオにルチャスタイルでの攻防を要求。「ルチャ」コールが起こるも、アントーニオは拒否。しばしアメリカンスタイルで戦ったあと、二人はなんとなくルチャっぽい争いを繰り広げてKUDO、入江にスイッチ。ヘッドロックなどパワーで押す入江に対し、KUDOはロープを駆使した攻撃を見舞っていく。
場外戦に発展すると、試合はさらにヒートアップ。抜群の身体能力を誇る飯伏がテーブル上からケブラーダを見舞うと、会場のボルテージは最高潮に。
お互いになかなかカウントを奪えない混戦の中、最後にリングに立ったのは飯伏とアントーニオ。飯伏がシットダウン・ラストライドを決めてフィニッシュし、大歓声とともに試合を締めくくった。
試合後、高木大社長はマイクを握り、「『リング☆ドリーム』さんのプロレスラー女体化計画から始まったこのコラボ、一時はDDTの選手全員が女体化するという一大事になりましたが、見事にこうやって盛り上がりましたよ!」と絶叫。「リング☆ドリーム」プロデューサーの松田秀夫氏をリング上に呼び出した。
「松田」コールの中、リングに上がった松田氏に対し、高木大社長は「あなたがいなかったら、僕らは女体化せずに済んだんだ。この野郎! よくも俺たちを女体化してくれて、ありがとう!」と感謝の言葉を述べた。松田氏は「ユーザー代表ではないですけれども、『リング☆ドリーム』のユーザーの皆さんににプロレスを見せていただく機会を作ってくださった高木大社長、選手のみなさん、ありがとうございました。プロレスっていいですね! 理屈じゃないです。本当にいいものだなって思いました。また、DDTの会場、『リング☆ドリーム』のゲーム内でお会いできたらと思います。ありがとうございました」とコメントした。
最後に高木大社長が「これ、一回で終わらせちゃっていいんですか?」と訴えると、松田氏はリング上から観客席にいたサクセスの吉成社長に直訴。その場でOKをもらい、次回の開催に含みを持たせた。