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CATVデジアナ変換終了に焦点!? シャープのテレビ春商戦の戦略

2015年01月20日 17時00分更新

文● ハシモト/ASCII.jp編集部

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 シャープは20日、春商戦に向けた液晶テレビの販売促進に関する説明会を開催。リーズナブルな価格帯の液晶テレビを発表した。

USB HDDへの録画やMHL端子の装備など、基本機能は十分な「LC-40H20」

USB HDDへの録画やMHL端子の装備など、基本機能は十分な「LC-40H20」

 今回発表したのは、2月10日発売の「LC-40H20」(40V型)と「LC-32H20」(32V型)。直下型バックライト搭載で40V型が9万7000円前後、32V型が6万5000円前後という価格だ。

春商戦の販促について語るシャープの居石勘資氏

春商戦の販促について語るシャープの居石勘資氏

 同社デジタル情報家電事業本部 国内営業統括の居石勘資氏によれば、国内マーケットの基本需要は900~1000万台だが、アナログ放送終了などの影響で2009年と2011年に1500万台超、2010年には2500万台超という需要が生まれた。

テレビの国内マーケットの推移と予想グラフ

テレビの国内マーケットの推移と予想グラフ

 この大きな山場ができたということは、どこかで買い替えタイミングが来る。居石氏は「(フルHDテレビを)4Kテレビに切り替えるのが宿命」と語り、2017年度に4KテレビとフルHDテレビの需要が逆転するというJEITAの想定を実現するために奮闘するという。

買い替えのタイミングと置き換えのタイミングが今年来ると予想

買い替えのタイミングと置き換えのタイミングが今年来ると予想

 一方で、液晶テレビの寿命は8年ということで、2004~2007年に出荷された約2350万台のテレビが今年買い替えタイミングにあたると指摘した。

 さらにアナログ停波のタイミングで駆け込み的にテレビを購入したユーザーが、テレビのサイズなどに不満を持って買い替えるケースも想定。2009~2011年に販売された32型テレビ約2100万台も置き換え需要として考慮しているという。

37V型のテレビなら60V型に買い替えても横幅的にはそう変わらない、と店頭で説明

37V型のテレビなら60V型に買い替えても横幅的にはそう変わらない、と店頭で説明

画面サイズが小さくなったと感じるのは画面が低くなったから、として高さ方向のサイズアップも訴求

画面サイズが小さくなったと感じるのは画面が低くなったから、として高さ方向のサイズアップも訴求

 同社はサイズ感への不満を解消するため「縦横無尽の画面サイズ選び」として販促を行なう。バックライトに蛍光管使用していた時代のテレビと比較して、最近のテレビはフレーム幅が小さくなっており、より小型化している。

 一例として7~8年前の37型テレビ(サイドスピーカータイプ)の横幅が1109mmだが、最新の60型テレビは1178mmであるとし、約2倍の画面サイズのテレビが約70mmプラスの横幅があれば置ける、といった訴求を行なうという。

 また、基本的に今年の3月で終了するCATVデジアナ変換終了についても買い替えニーズが生まれると指摘する。同社の計算では、CATVのデジアナ変換のみ利用している世帯は105万世帯あり、このうち、半数がデジタルテレビの購入意欲があるという。つまり、50万台超のテレビ需要が2014年から今年の3月までの1年間で発生する可能性があると予想する。

 このニーズについては、比較的リーズナブルな価格帯の製品をアピールする。すでに発売中の小型モデルやBD一体型モデルに加え、冒頭で紹介した新製品の投入も行なうとしている。

 居石氏はアナログテレビ→デジタルテレビへの切り替えは「薄型テレビを切り開いたメーカーの責任」であるとし、「アナログテレビをきちっとデジタルテレビに変えていくのが我々の使命」だと強調した。

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