今井翔太氏、宮田裕章氏と探るAI進化の最前線と、AI Companion 3.0の実力 「Zoom Experience Day」レポート
“DXのパラドックス”を解く鍵は「会話の統合」 Zoomが目指す「AIがタスクを完結させる」ビジネスの未来
提供: ZVC JAPAN(Zoom)
現在のZoomは、AIファーストの統合プラットフォームを軸に据え、提供するサービスと機能を急拡大させている。その先にどんなビジネスの未来像を見据えているのか。
ZVC JAPANが2026年4月、東京で開催した年次カンファレンス「Zoom Experience Day」では、AIをテーマとした多数のセッションが催された。
米Zoom幹部によるセッションでは、ZoomのAIプラットフォームが目指す進化の方向性や、最新のAI機能群が紹介された。また「AI×企業コミュニケーションの未来」をテーマとしたスペシャルセッションには、AI研究者の今井翔太氏、宮田裕章氏を招き、急速に進化し続けるAIがもたらす価値とリスク、AIをどうビジネス実装していくのかというテーマで議論が交わされた。
本記事ではこの2つのセッションをレポートする。なお、Zoom Experience Dayの全セッションは、2026年5月14日までオンデマンド配信されているので、こちらも合わせてご覧いただきたい。
■Zoom Experience Day 2026:オンデマンド配信中
“技術が進化しても仕事が減らない”DXのパラドックスを乗り越えるには
米Zoom Communicationsで製品マーケティング責任者を務めるレオ・ボールトン氏は、「会話から完了へ」というZoom AIが目指す進化の方向性、そして「My Notes(自分用メモ)」や「AI Companion 3.0」といった最新機能が実現する新たな価値を語った。
セッション冒頭、ボールトン氏はこのように切り出した。
「技術が進化しても、仕事は決して楽になっていない。多くの人にとっては、デジタルツールが増えたことでむしろ仕事が難しく、複雑なものになってしまっている。われわれは、そうした『デジタルトランスフォーメーションのパラドックス(DXの逆説)』の解決に取り組まなければならない」(ボールトン氏)
このパラドックスの核心には「摩擦(friction)」の問題が存在する。DXを通じて業務現場に数多くのデジタルツールが導入されたものの、それぞれの情報が統合されていないために、企業内の人/プロセス/意思決定がうまくかみ合わず、摩擦が生じているという意味だ。
デロイトの調査によると、こうした摩擦を感じている従業員は94%に達する。さらに、この摩擦を軽減するために、人間がわざわざ手を動かし調整を行う“仕事のための仕事”も増えてしまっている。
「調査によると、平均的な従業員はミーティング関連業務に週25時間を費やしている。ただし、その時間の3分の2(63%)は、会議資料の作成のような準備、議事録作成のような会議後のフォローアップなど、会議そのものではない作業に充てられている」(ボールトン氏)
こうした摩擦の悪影響は社外にも及ぶ。たとえばセールスやコンタクトセンターの現場でも、商談や問い合わせ対応の事前/事後の業務に多くの時間が割かれており、商談や顧客対応そのものに使う時間を圧迫している。さらに、顧客から聞いた内容がほかの担当者に引き継がれておらず、顧客の不満やトラブルの原因になることもよくある。
ここでボールトン氏が強調するのが、Zoomが提供する、統合されたプラットフォームの強みだ。社内会議、商談、問い合わせの電話まで、あらゆる会話から洞察を自動的に抽出し、従業員をアクションへと導く。ここでは、幅広い会話データを統合できるプラットフォームに加えて、会話のコンテキスト(文脈)を理解できる生成AIのテクノロジーが大きな役割を担っている。
さらにボールトン氏は、ZoomのAIプラットフォームには、価値の高い情報資産である「会話」を扱える優位性があることを強調した。
「ビジネス向けAIツールの多くは、CRMなどのシステムにあるビジネスデータやドキュメントファイルを参照してコンテキストを引き出している。しかし、それは業務現場にある情報の半分に過ぎない。(残りの半分である)会話は、『意思決定』や『感情』も含まれた重要な情報資産であり、ZoomのAIプラットフォームはその両者をつなぐことができる」
会話に含まれる情報と、ビジネスデータやドキュメントの情報の両方をAIが取り込むことで、ZoomのAIプラットフォームは“意思決定インテリジェンス”を持てるようになる。これにより、会話をトリガーとしてAIエージェントが業務タスクを自動実行する世界、つまりZoomが「会話をタスク完了に変える」新たな段階へと進化していくわけだ。
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