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装着型ロボ「アシストスーツAWN-02」が15年度に量産

2014年09月12日 23時00分更新

文● 大河原克行

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パワーアシストスーツの国内市場は、
2020年には年間300億円規模を想定

 AWNは、「あうん」とも読ませることができ、「あうんの呼吸で荷役作業ができるという意味を持たせた」(アクティブリンク・藤本弘道社長)という。

アクティブリンク・藤本弘道社長

 アクティブリンクは、2003年6月に設立。本社は奈良市のならやま研究パーク内にあり、社員数は11人。資本金は2億2400万円。パナソニックが79.6%、三井物産が19.6%を出資している。

 設立当初から年齢や性別に左右されずに思い通りに働くことができる「パワーバリアレス社会」の実現を目標に、汎用パワードスーツの新規市場創成を目指しており、ゴム人工筋駆動上腕アシストスーツを開発。医療・介護用途向けパワードスーツ、汎用パワードスーツなどの試作品を開発し、100kgのオートバイなども持ち上げることができる。

100kgのオートバイなども持ち上げることができる試作品

 アクティブリンク・藤本弘道社長は、「日本の人口推移予測によると、これから65歳以上の人口比率が拡大するとともに、労働人口の減少が大きな課題となっている。一方で、パワーアシストスーツの国内市場は、2020年には年間300億円規模が想定され、2024年には1000億円の市場規模になるとみられている。主力となるのは、運搬、農業、介護の領域。政府の支援では、介護、農業分野から始まっているが、当社では運搬分野からターゲットにしていく」という。

パワーアシストスーツの国内市場は、2020年には年間300億円規模が想定され、2024年には1000億円の市場規模になるとみられている

災害救助への活用、耐放射線防護スーツの支援にも

 労働衛生法で定められている作業指針では、可搬重量の制限は作業者体重の40%以下としており、女性の体重から逆算すると一般的に20〜30kgが自力作業の限界となる。

 同社のアシストスーツでは、30kgをひとつの目安としており、30kg以下のアシスト力をサポートするための重作業支援、農作業支援といった作業補助ニーズ向け製品のほかに、30〜100kgのアシスト力を持ったパワーローダーにより、災害救助への活用、60〜80kgにものぼる原子プラントにおける耐放射線防護スーツ時の支援などにも使用できるようにするという。

装着時間は30秒以内が目標

 さらに、アクティブリンクのパワードスーツは、他社の製品が、データベースに基づくプログラム制御を行なっているのに対して、力センサーや位置センサーなど、実際に検出された踏力変動などにあわせて駆動を調整するリアルタイムでのアシスト制御が特徴。さらに、装着時間は30秒以内を目標にしており、他社製品が装着に数分、センサーの安定に数十分かかるのに比べると、容易に装着できるという。

実際に検出された踏力変動などにあわせて駆動を調整するリアルタイムでのアシスト制御が特徴

 「足底、上体ベルトのみのラフな身体拘束であり、メカと操作者の間接軸の関係が不一致であることから安全性も確保できる。重作業向けには最適である」としている。

パワーローダーニンジャ「PLN-03」

 また、2014年9月からは、AWN-02を活用した福井県内の農家と連携した実証実験を行なう予定。2016年には、農作業向けのプロトタイプとして、パワーローダーニンジャ「PLN-03」を開発する予定。さらに、2019年以降には100kgのアシスト力を持つパワーローダーライト「PLL-X」のプロトタイプを開発。いずれもプロトタイプの開発完了から1〜2年で量産化する予定だという。


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