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ネット通販に対し、実店舗がオムニチャネルで生き残る

2014年09月01日 05時25分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 ネット通販が拡大の一途をたどるなか、市場を食われた感のある実店舗。最近では、「実店舗で商品をチェックし、少しでも安いネットショップを探して購入」する「ショールーミング」という購入スタイルが登場。実店舗にとってネット通販は、単に強力な商売敵であるだけでなく、いいように利用されてしまうやっかいな存在だ。

 スマホの普及もショールーミングを後押しする。スマホを使うことで、実店舗の売り場で商品を目の前にしながらネット検索できるようになり、わざわざ商品名等を入力することなく、商品のバーコードをスマホでスキャンすれば手軽に検索できるアプリもリリースされている。Yahoo!ショッピングや楽天市場、アマゾンといったネット通販サイトのアプリにもバーコード検索機能が搭載されているほどだ。

 しかし、ネットやスマホはすべてが実店舗の敵というわけではない。たとえば、オプトが提供しているバーコードでお買い物アプリ「ショッピッ!」は、複数のネットショップや実店舗から最安値や、最も現在地に近い実店舗を一括検索できる。つまり、ネット通販で商品が届くのを待つのではなく今すぐ欲しい、現在地周辺で最も安い実店舗で手に入れたい、といったユーザーのニーズに応えるアプリとなる。

「ショッピッ!」の利用イメージ
「ショッピッ!」の利用イメージ

 このアプリは、実店舗やECサイト、カタログ通販などさまざまな販売チャネルを連携させることで相乗効果を高めようという「オムニチャネル」に通じる。ユーザーにとっては、「ショッピッ!」アプリを利用すれば、状況に応じて最適な購入方法を選択できる。実店舗にしてみれば、ネットから客を誘導できるメリットがある。

 また、たとえば、リアル店舗で利用できるクーポン券をスマホアプリやパソコンサイト上で発行するなど、 ほかにもオンラインからリアルへと顧客を導こうという「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」が見込める。ネットやスマホとの共存、ネットショップとの補完関係に、実店舗が生き残る道も見えてくる。

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