いろいろと面白いものが注文できる。プリンタは不要だ。
3Dプリントが軌道に乗らなかったとしても、アマゾンの努力不足ということはない。昨年、アマゾンは3Dプリンタと造形材料を販売する専門カテゴリーを開置した。そして今、さらに事業を推し進める。今回は3Dプリンタで造形した実際の製品を売り出す。私たちの生活における3Dプリントの役割が問われる中、議論の熱も高まりそうだ。
先日新しく開設された「3D Printing Store」は、3Dプリントによる製品を「作るのではなく購入したい」消費者にターゲットを絞っている。既に3Dプリンタ本体、プラスチック・フィラメント、パーツ、アクセサリ、ソフトウェア等を扱う「3D Printers & Supplies」カテゴリーが存在していたが、それは自宅に自分だけの小工場を作りたい消費者のみの利用に留まっていた。
これからは3Dプリンタで造形された200以上の玩具、ジュエリー、家庭用品、その他SculpteoやMixee Labs等のベンダーが販売する安価な装飾品などを、ブラウズして購入できる。3Dプリンタ本体を購入する必要はない。
アマゾンにはMixee Labsの玩具の人形等、カスタマイズできる商品もある。また、デザインは固定でもカラーバリエーションや非常に複雑なディティールを提供する商品もある。
3Dプリンタ(デジタルデータから三次元の物体を生産できるデスクトップ・マシーン)は、デザイナー、発明家、趣味人、その他「ものづくり」をする人や企業にとって、直接的かつ明確な魅力を持っている。だが、そういった製作者たちは主要マーケットではあまりよい業績を残してこなかった。
アマゾンが熟知しているものがあるとすれば、ショッピングだろう。アマゾンのサイトで消費者は容易に商品を発見、検索、プレビュー(360度ビューもある)することが可能で、ベンダーはAmazon Sellerとして登録することで自分の製品を販売できる。
アマゾンが上手くやれば、彼らは3Dプリント・ビジネスで収益源を2つ持つことができるはずだ。1つは潜在的クリエイターに3Dプリンタをはじめとする道具を売ること、もう1つは彼らに販売場所を提供することだ。
3Dプリントはテクノロジーとものづくりの世界への招待という役目も期待されているが、ごく一般的な消費者にとってはまだまだ敷居が高い。そういうこともあり、3Dプリント市場は、設計図を提供する形式から完成品の販売へと方針転換した。黎明期からのパイオニアであるShapeways、Thingiverse 、3DLTもそのような方針を打ち出し、Threeding、Layer by Layer、Cuboyoといった、比較的最近参入した企業がこれに追随している。ネットオークションサイトeBayとハンドメイド品の販売サイトEtsyも3Dプリント製品を扱い始めた。
アマゾンがこのニッチ市場に飛び込んだことで、一般消費者の関心が一気に3Dプリント製品へと向かうかもしれない。そうなれば、関係者にとってこの上なく喜ばしいことだ。
新ストアで見つけた私たちのお気に入りを紹介しよう。
「自分だけのフィギュアを作る」 Mixee Me
とてもリアルな3Dプリントフィギュアは、なんとなく気味が悪い(そして高い)と感じる人もる。その点、「Mixee Me」はかわいらしいく、作りは細かすぎないので、出荷に要する時間も6日から10日と短い。これでたった30ドルだ。
フラクタル・リーフ iPhone 5 ケース
スティーブ・ジョブズは禅を実践しており、過去に「life is fragile(命ははかないものだ)」という言葉を残している。このフラクタルな葉の形は、そういった命のはかなさを表現しながら、脆いあなたのiPhoneの寿命を伸ばしてくれるかもしれない。この28ドルのバンパー・ケースは独特のかわいさがあり、全体を覆い隠すことなくスマートフォンを保護してくれる。
H.P.ラブクラフト風ボードゲーム駒
蛇とはしごゲームで少さなクトゥルフを使ってみるのはどうだろう。このラブクラフト駒がチェス盤上を躍動する時が待ちきれない。いろいろなボードゲームで使えそうだ。
ユニセックス・スペースインベーダー・リング
ゲーム好きを表現する方法はいろいろあるが、指輪でやってみたらどうだろう。荒いドット感のあるインベーダー・デザインで、レトロゲーム・マニアばかりでなく現代のマインクラフト・ファンにもアピールできる。
カオス・テーブルランプ
このリストで最も高価な製品カオスランプは、…なかなか懐に厳しい一品だ。3Dプリントであるかどうかに関わらず、ランプに740ドルというのは非常に高価格だ。しかし、金額を問題にしないのであれば、実用品として機能する立体芸術は実に魅力的だ。
画像提供: Amazon
Adriana Lee
[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら