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日本女性の活躍に向けグーグルが「Work Smart」を提案

2014年07月31日 17時00分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 日本は、男女格差指数が世界135カ国中105位という低水準(出典:World Economic Forum The Global Gender Gap Report 2013)。女性役員比率の先進国の平均は11.8%で、フィンランドが26.8%、フランスが18.3%、アメリカが14%であるなか日本はわずか1.1%にすぎない(出典:GMI Ratings’ Women on Boards Survey)。

 大卒女性が退職する割合とその理由で、「仕事への不満」がアメリカの26%に対して日本は63%、「キャリアの見通しが立たない」がアメリカの16%に対して日本は49%となり、女性の退職の理由は出産や育児だけではない(出典:独立行政法人経済産業研究所BBLセミナー、2011年)。

 このような統計を紹介するサイトがこのほど開設された。これはグーグルジャパンが開設したもので、サイトを通じ、女性の活躍をサポートする新しい働き方として「Work Smart」を提案していく。

「Work Smart」を提案するサイト
「Work Smart」を提案するサイト

 同社では、2013年11月と14年5月の2回にわたり、25~49歳の女性を対象に女性の働き方について調査を実施。その結果から、女性が働き続けられない大きな理由は「場所に関する制限(通勤や勤務エリア)」と「時間に関する制限(子育てや子どもの急な病気への対応など)」であることがわかった。

 女性の活躍をサポートするうえで、働く場所と時間を柔軟にする職場の制度とテクノロジーが重要な役割を果たす。しかし、子育てをしながら働く女性全体に、最近1年以内に利用したテクノロジーを聞いたところ、最も利用されている「ファイル共有」においても、利用率は14.1%。半数を超える54.2%の企業は、テクノロジーを1つも導入していないという結果であった。

テクノロジーの導入と利用(2014年5月グーグル調査)
テクノロジーの導入と利用(2014年5月グーグル調査)

 「Work Smart」は、「職場の制度」と「テクノロジー」の両方を活用し、場所や時間にとらわれることなく、柔軟に効率よく働くワークスタイル。同サイトでは、「Work Smartという働き方について知る」「先進企業、団体のケーススタディ」「Work Smartという働き方を実践するためのアイデアや情報をコミュニティで共有する」という3つのコンテンツで、「結婚、出産、育児、介護などの理由で、女性が働き続けることが難しい」という課題の解決を目指す。

 「Work Smart」のような取り組みをはじめ、今後、「女性の活躍のサポート」につながるツールやサービスはますます注目を集めそうだ。

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