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「医師限定SNS」と「薬版の食べログ」で上場

2014年07月15日 07時00分更新

伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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メドピア代表取締役の石見陽社長。

 メドピアは、6月27日に東証マザーズ上場を果たしたベンチャー企業。初日の終値は9400円と市場からの評価も高い。メインの事業は「医師だけが使えるSNS」だ。 現在も週1日のペースで医師の仕事も兼務するメドピアの代表取締役石見陽社長は、「医師同士がコミュニケーションできる場が欲しかった」とサービスの発想を語る。
 もともと石見社長は、ミクシィの医師限定のコミュニティーで医者同士の情報交換をしていた。次第に一般の利用者からの質問が多くなり、医者同士のやり取りが減ってしまったことから2004年に創業。最初は医師の人材紹介の事業からスタートし、2007年にプラットホーム事業としてSNSのメドピアを開始。

 メドピアは会員登録の際に医師免許証の写真をメールで送るか、勤務先に電話をして本人確認が必要。本人確認できた後は、SNS内では身元を開示せずに匿名で利用できる。毎年150%ずつ成長しており、現在の会員数は約7万人で、医師の4人に1人が使っている計算だ。2012年に3億円の売上高で初めて黒字化を達成しマザーズ上場を果たした。

 サービス開始当時は「相互紹介で自然に会員数は増えると思った」(石見社長)と考えていたが、思ったように会員数は増えず、医師がいるところへ足を運んだ。学会に参加して声掛けを実施し、7500人まで会員数を増やす。その後、医師向けのサイトと提携したり、DMを送ったりと順調に会員数を伸ばした。

 メドピアでは医師同士の意見交換や相談事以外にも、薬を評価する掲示板が好評だ。「分かりやすく言うと薬版の“食べログ”です」(石見社長)。薬剤名を検索すれば該当の薬の評価が見られる。医師同士はもともとノウハウを隠す文化はなく、日常的に助け合うので薬の評価をするデータベースは自然に構築できたという。むしろ難しかったのは売り上げの9割を占める広告主だった。製薬会社にしてみれば、自社の薬を評価されるのは面白くないが、医師の知見を高めるのを目的として石見社長は啓蒙活動にも力を入れて広告企業を増やした。

 今後は、会員数を増やすのと同時に評価する薬の点数を増やすことに注力する。現在、メドピアの口コミで扱っている薬剤は2000種類。広告のある薬剤数を増やすことでビジネスを成長させる。また、医師の意見や考えなどが多く蓄積されており、ビッグデータとしての活用も期待できる。「電子カルテのクラウド化などの事業も今後は検討したい」(石見社長)。高齢化が避けられない日本で、メドピアは医療事業で成長を目指す。

お詫びと訂正:記事初出時、一部表現が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。(2014年7月15日)


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