「お見せできないのが残念なくらい、キツいチェックを入れています」とのこと

試験は30種類! PCよりも厳しい管理下で開発されるiiyamaディスプレー

文●林佑樹

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品質テストのほんの一部を見せてもらう

 30種類以上と聞いても、実際にどのようなチェックを行なっているのかピンとこない。そこで、発色のチェック、色ムラのチェックを実演してもらった。マウスコンピューターの品質管理は、iiyamaディスプレーが基準点になっているとのことなので、電源同様に容赦のないチェックをしていることは、容易に想像できるだろう。

 まず実演があったのはブルーライトを抑制する「Blue Light Reducer」の確認から。ブルーライトをカットするメガネを見たことがあればわかると思うが、単純にブルーをカットするため、レンズ越しの視界は黄色くなってしまう。そこに手入れをし、他の色も調整してなるべく色を変化しないようにしている。当然、この部分の設定はパネルメーカー任せではなく、iiyama部隊によって行なわれているのだ。

Blue Light Reducerの効果を確かめるテスト

このとき使用されていた機材は、TOPCON性IM-1000という演色照度計。会議室に持ち込みやすい機材であるため、今回は本機が登場した。実際の開発室では、もっとゴツい機材で確認しているという

Blue Light Reducerがオフの状態

Blue Light Reducerをオンにした状態。Blueだけでなく、他の色も抑えてなるべく発色傾向を変えないようにしているのがわかるだろう。こういった部分のカスタマイズに注力を入れているわけだ

発色関連の品質テストも実演

 次にユニフォミティや輝度、色味の計測を実演してもらった。これはディスプレー上の複数部分を検査して色ムラがないかを確かめるとともに、スペック通りの値が出ているかの確認でもある。ディスプレーは、当然ながらユーザーが目にする部分が大半のため、こういった発色関連の品質テストが多いそうだ。

実演で使用されていたのは、コニカミノルタ製CA-210。これも持ち込みやすいものを引っ張り出してきたそうで、本来は異なる機器で行なっているとのこと

ディスプレーにぺったりとくっつけて、環境光が入らない状態で計測する

上2列の値を減算した数値が規定内であるかを確認する。最下段にあるのは輝度

iiyamaオリジナルの要素である安定したスタンド。装着した状態で振動や落下などのハードなテストを行なっている

 出荷時は抜き取りでこうした厳密チェックをしているほか、視感での確認も行なうという。露骨に規定スペック以下というのは、目に見えてわかるというわけだが、インタビューにもあったように、厳密な品質テストを重ねての開発なので、出荷時の不良率は極めて低いとのこと。続いては、ワールドワイドで販売されているiiyamaディスプレーならではの品質管理について、マウスコンピューターiiyama事業部品質管理主任の経塚博康氏に話を伺おう

(次ページ、「いろんな意味でもっとも厳しい担当者がいた件について」につづく)