データ保護ソリューション企業の米セーフネット(SafeNet)は、データ漏えいの深刻度を指標化した「SafeNet Breach Level Index(BLI)」の2014年第1四半期(1~3月期)における内容を発表した。
この間の世界でのデータ漏えい数は前年同期比で233%増の2億件近くにのぼった。データ漏えい事件の発生件数は254件以上で、このうちの78%を占める199件が北米、13%がヨーロッパ。アジア太平洋地域全体は7%にすぎなかったが、漏えいデータ数は韓国が突出して多く、全体の79%におよぶ1億5800万件ものデータが漏えいしていた。
業界別で最も被害を受けていたのは金融業界。データ漏えいの事件数は全体の9%と小さいものの、漏えいデータ数は56%と過半数を占めた。事件件数が多かったのはヘルスケア業界で、データ数は全体の9%だったものの事件件数では全体の4分の1にあたる24%に及んだ。被害の少なかった業界は小売業で、事件件数は全体の10%、データ数はわずか1%にすぎなかった。
データ漏えいの要因をみると、悪意を持った外部侵入者によるものの事件件数は全体の62%で、データ数は約4割となった。内部犯行は事件件数こそ11%にとどまったが、データ数は52%を占めるにいたっている。外部侵入者と比べて内部犯行は犯行の効率の高さが浮き彫りとなった。
世界で発生しているデータ漏えい事件は1日に約3件で、データ数は220万件にのぼる。1時間あたりに換算すると1時間に約9万3000件のデータが失われていることになる。BLIでは各国の機関から公表されたデータに基づいているが、データ漏えいに関する報告義務は国にとって異なるため、公表されていないデータも含めると、漏えいデータ数はさらに多くなると見込まれる。