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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第34回

カリフォルニアの渇水対策とシャワーヘッドの新調について

2014年04月17日 17時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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どうも物足りないアメリカのシャワー文化の中で
シャワーヘッドで工夫してみる

 日本人としては、どんなに小さくても風呂にお湯を張って、肩まで浸かり、「あ゛~」という何とも言えない声を上げたいところです。

 しかしアパートのユニットバスのバスタブがそもそも浅く、またお湯があふれないようにするための排水溝もタブの下寄りに付いています。何とかギリギリまで一杯のお湯を貯めて、体をよじっても、上手く肩までつかれないという残念なバスタブなのです。基本がシャワーの文化なので仕方ありません。

 だったら、シャワーを何とかしてみようと考えました。アパートの一般的なユニットバスには、壁から短いシャワー用のパイプが伸びていて、壁に水栓と、タブにお湯を張るためのカランが付いています。このパイプ部分は規格化されていて、シャワーヘッドを自分で取り替えることができるのです。そこで、シャワーヘッドを求めて、ホームセンターへ行ってみました。

 予想通り、シャワーヘッドは非常にたくさんの種類が売られていました。基本は壁のパイプに直接取り付けるヘッドですが、そこからホースが伸びて手持ちのシャワーとして使えるようにするものや、直付けとハンドの両対応のものもありました。

 ちょっとテッキーなものとしては、シャワーヘッドにヒーリング用のLEDライトやスピーカーが内蔵されていて、ラジオを聴きながらシャワーが楽しめる、といったものもありました。Amazon.comのシャワーヘッドのカテゴリーを見ると、その数の多さ、種類の多さがわかるのではないでしょうか。

日本人がお風呂や温泉にこだわるように、アメリカではシャワーへのこだわりがあるようです。Amazon.comでシャワーヘッドを検索してもこのとおり

 旧来のシャワーヘッドよりも、高効率であることがうたわれる製品も少なくありません。水の勢いを強くしたり、その裏返しで使う水の量を減らすことができ、渇水のカリフォルニアには効果的な選択と言えるでしょう。

シャワー文化のアメリカだからこそ!?
打たせ湯感覚のシャワーへヘッド「Oxgenics Vortex」

 ホームセンターで品定めをしていた際に、異彩を放っていたのが、OxgenicsというシャワーヘッドメーカーのVortexという製品でした(冒頭写真)。

 直径およそ30cmもある、大きくてぴかぴかしたシャワーヘッドです。通常のシャワーのパイプより高い位置にセットできるよう、25cmの延長パイプも付属してきました。この大きな盤面から8種類の水流のレインシャワーを楽しむ事ができるというのです。

 Oxgenicsというメーカー名になっているイチオシの水流で、吹き出す部分で空気を巻き込み、酸素を多く含んだ細かい水滴のシャワーを作り出す仕組みだそうです。細かい粒がワイドに広がるため、少ない水の量でシャワーが浴びられるとのことでした。

 それ以外の8つの水流を、1つずつビデオに撮りましたので、見てみて下さい。ちなみに、iPhone 5sの120フレーム撮影のビデオで、スローモーションを作ってみました。

 確かにウリとなっている「Oxgenics」モードは今までにない気持ちよさがあります。細かい水滴なので当たりは柔らかですが、髪の毛を洗っているときも泡切れが良く、浸透してくる感覚があります。ただ、粒が細かく湯が冷めやすいため、少し熱めのお湯を使った方が良さそうです。

 個人的に気に入っているのは、「Flood」モード。ちょうど温泉にある打たせ湯のような水流で、肩に当てると温かい心地よさがあります。節水を心がけるという意味で、あまり長湯はしませんが、3~4つのモードを切り替えながら、短いシャワーの時間を楽しむようになりました。

 もし日本に帰る段になっても、このシャワーヘッドは持って帰って、何とか日本でも使い続けたいと思うほど、お気に入りになりました。風呂には風呂の良さもありますが、シャワーにはシャワーの良さも、あるんですね。入浴剤のような湯船を楽しむものはありませんが、その代わりシャワーを楽しむプロダクトの世界を知ることができました。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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