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「Endevor ST170E」ロードテスト

ビジネスでフルに使える!VESA対応の超小型PC「Endevor ST170E」

2013年12月26日 11時00分更新

文● エースラッシュ

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「Endevor ST170E」スリムモデル

 ごく小さな箱型のケースを採用した超小型PCという分野に、エプソンダイレクトは以前から取り組んできていた。従来の「Endevor ST160E」も十分に小型だったが、さらにスリム化させてリニューアルしたのが「Endevor ST170E」だ。光学式ドライブを搭載したモデルと非搭載モデルを用意し、光学式ドライブを搭載しないスリムモデルは縦置きした時の横幅がわずか45mmというスリムサイズを実現している。

 今回は光学式ドライブを搭載しないスリムモデルを試用している。BTOメニューとして用意されているものの中では中の上といったものを選択した構成で、超小型PCとしては比較的ハイスペックな構成となっているのが特徴のマシンだ。

コンパクトなだけでなく設置しやすい本体デザイン

 「Endevor ST170E」スリムモデルの本体サイズは幅45×奥行き185×高さ203mm。小さな箱型で、ボディカラーはホワイトだ。表面はさらさらとした手触りの加工になっている。尖った角のない作りにはなっているが、縦置き時も横置き時も、設置した際の両サイドは設置面と垂直になる設計だ。

 スタンドも存在するが、本体のみで十分に安定する。縦置き時に両側面となる部分いは通気口などが何も存在しないから、ファイルなどをぴったり並べておいても問題なさそうだ。ファイルを並べたときにも、本体がまっすぐなおかげで、すっきりと自然な置き方になるのがうれしいところだ。通風口が縦置きした時の背面と天面にあるため、極端に狭い棚の中などに設置するのはよくないだろうが、ブックエンドで支えている本の群れと一緒という程度ならばまったく問題がない。

 横置きにした場合も上部が完全に平らになるから、ちょっとした物を置いたりできる。7kg以上の荷重をかけると誤作動の原因となるということだが、それほど重いものは普通に考えて置かれないだろう。スマートフォンなどの小物を置く場として使うには十分だ。

VESA対応でディスプレーとの一体化もOK

 「Endevor ST170E」は、ディスプレーと別にファイル類と並べるような置き方をしても十分に省スペースなのだが、購入時にVESA対応一体型キットを選択すると、VESA対応ディスプレーの背面に背負うように設置できる。エプソン製のディスプレーに取り付けた場合、スリムモデルはディスプレー背面側にせり出したスタンド部の範囲におさまるため、一体化させたからといってディスプレー設置位置を手前にする必要はない。

 ちなみに、光学式ドライブを搭載したモデルの場合はVESA対応のマウントではなく、専用の一体型キットを購入して同じようにディスプレー背面への取り付けが可能だ。

スリムモデルはVESAマウントでディスプレー背面に取り付けられる

大型機よりも充実したインターフェイス群

 本体が非常に小型である割に、インターフェイスは充実している。縦置きした場合のフロント側には電源スイッチ、USB3.0端子×1、USB2.0端子×2、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子が並ぶ。ヘッドフォン/マイクコンボジャックではないおかげで、接続機器の選択肢は広い。

 背面側にはPS/2端子×1、有線LAN端子、USB2.0端子×3、USB3.0端子×2、VGA端子、DVI端子、ミニHDMI端子、電源コネクタ、マイク入力端子、ライン入力端子、ライン出力端子、電源コネクタが配置されている。コンパクトなスペースにぎっしりと並んでいるという印象だ。

 背面USB2.0端子のうち1つは光学式ドライブ接続用となっている。またPS/2端子は1つしか搭載されておらず、通常ではキーボード用ということになっているが、オプションでPS/2分配ケーブルを購入するとマウス・キーボードともにPS/2接続のものを利用することも可能だ。

 コンパクトマシンなのに、一般的な省スペースデスクトップやノートPCと比較しても負けないほどインターフェイスはそろっており、周辺機器との接続に困ることはなさそうだ。

フロント側には電源スイッチ、USB3.0端子×1、USB2.0端子×2、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子が並ぶ

背面側にはPS/2端子×1、有線LAN端子、USB2.0端子×3、USB3.0端子×2、VGA端子、DVI端子、ミニHDMI端子、電源コネクタ、マイク入力端子、ライン入力端子、ライン出力端子、電源コネクタを配置

高い基本性能で利用感は快適

 試用機はCPUにIntel Core i5-4600Mを採用し、8GBのメモリと合計2TBのHDDを搭載した構成だった。この構成でベンチマークによる性能評価を行なった。

 Windows 8.1には、快適さの指標となる「Windows エクスペリエンスインデックス」が搭載されていないため、評価実行ファイル「WINSAT.exe」の実行結果を「Windows エクスペリエンスインデックス」の項目に合わせて紹介しよう。「Endevor ST170E」の実行結果は、「プロセッサ」の値が「7.5」、「メモリ」の値が「7.6」と高いが、グラフィックス関係は「グラフィックス」の値が「5.7」、「ゲーム用グラフィックス」の値が「5.6」と抑えめだ。「プライマリ ハードディスク」の値はHDDであるため「5.9」となった。

 3D性能を計測するベンチマーク「3DMark」のスコアもよくはないが、グラフィックス機能がCPU統合のインテルHD グラフィックス 4600であるため、高度なグラフィックス処理には向かない。それよりは、プロセッサとメモリという基本性能の高さに注目すべきだろう。

3D性能を計測するベンチマーク「3DMark」

 実際に使っていると、かなり快適だ。何かの処理をするときにつまづいてうっとうしいというようなことはないし、スムーズに動いてくれた。利用中に振動や音、熱風などを感じることもなく、気持ちよく利用できる。スペック的には一体型デスクトップPCなどと同じだから、筐体が小さいからといって侮れない。

 「Endevor ST170E」は、好みのディスプレーで省スペースに設置したいというユーザーには最適なマシンだろう。しかも、BTOによってかなりカスタマイズできるから、予算と用途に合わせた構成での購入が可能だ。次回はBTOによる多彩な対応について紹介しよう。

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