このページの本文へ

2月にディスカッション参加型のイベントを開催!

IT業界のご意見番が立ち上げた「ITACHIBA」プロジェクトとは?

2014年01月09日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「ITACHIBA(イタチバ)」という奇妙なプロジェクト名で次世代のICTを考える企画を立ち上げたのが、ネットコマースの斎藤昌義氏とノークリサーチの伊嶋謙二氏だ(以下、敬称略)。情報システム部やITベンダー、SIer、IT関連メディアまで巻き込んだプロジェクトの概要を聞いた。

ITACHIBAの名前の由来とは?

ノークリサーチ代表取締役社長 伊嶋謙二氏、ネットコマース代表取締役社長 斎藤昌義氏

TECH 大谷:まずは自己紹介をおねがいします。

斎藤:ネットコマースという会社でITベンダーやSIerの新規事業の立ち上げ、事業戦略作りのコンサルティングや人材育成の仕事をしています。また、ユーザー企業の情報システム戦略策定と実現のお手伝いをしています。売る側と買う側、両方の立場で仕事をしているわけで、どちらの側にも喜ばれ、どちらにも煙たがれる立場ですね(笑)。

伊嶋:ノークリサーチでIT市場のリサーチ、コンサルティングをしています。開発とかに関わっているわけではありませんが、ITを提供するベンダーや利用しているユーザー企業、双方の言い分を調べたり、分析したり、お手伝いしたりしています。

TECH 大谷:そもそも、なぜITACHIBAなんですか? にわかに脳内変換できないんですけど(笑)。

斎藤:「何それ?」って、思ってもらったなら大成功ですね!(笑)。もともとは「異立場=イタチバ」という意味で、ユーザー企業とITベンダー、SIer、本来ならば利害の異なる立場の人たちが、お互いに立場を越えて、これからのITの活用やお互いの関係を考える場を作りたい、そんな想いから名付けました。ローマ字にすれば“IT”も入るので、その関係かなぁとすぐ分かるし。すっと耳に入る語感も悪くないなあ、ということで、特に反対もなく決まってしまいました。

TECH 大谷:千葉県にITを誘致しようという団体ではないのですね(笑)。

伊嶋:はい。実は、この活動の前が「次世代ICT会議」というなんだかありそうな、でも良く分からない感じのネーミングだったので、どうせならもっと意味不明だけど、インパクトのある短いキャッチなものにしたかったんです。

TECH 大谷:いわゆるITに関わる有志の団体なんですよね。

伊嶋:自由意思によるボランタリな活動なので、ここに参加したら誰もがフラットな関係です。会議のスタッフだろうと、参加者だろうと対等な物言いができて、ITに関わるすべての人や企業の役にたつ活動がしたいというのが掛け値なしの本音です。

イベントの企画自体ももちろん有益なのですが、過去にイベントを企画、立案する過程の活動自体が実はもっとも有益で、参加することが大きな価値を生むことが分かったんです。立場を超えてディスカッションし、考えたことをアウトプットする活動を続けていく場を提供したいということですね。賛同者にはベンダー、ユーザー、メディアなどITに関わるあらゆる人たちが揃っています。

売り側と買う側の垣根を越えた議論が必要

TECH 大谷:以前の次世代ICT会議と、どこが、どう変わったんですか?

伊嶋:なにより大谷さんが入ったということですかね(笑)。

TECH 大谷:お役に立てるかどうか……。

斎藤:次世代ICT会議には、その前身となる「緊急営業会議:3.11後のITビジネスと営業の役割」があったんです。東日本大震災直後の2011年5月9日にITビジネスに関わる人達、特に営業やマーケティングに関わる人たちに声をかけて、震災後のITビジネスがどうなるのか、そして自分たちは、この震災にどのように向き合っていけばいいのかを話し合いました。

TECH 大谷:確かにあの震災はITビジネスにも大きな影響が出ましたよね。

斎藤:そのときも話題になったことなんですが、ITに関わる人たちが、売る側と買う側の垣根を越えて、もっと真剣にIT活用のあり方を考えていかなければ、日本はダメになるぐらいの話になりまして、そんな想いが2013年1月の「次世代ICT大会議」につながりました。

おかげさまで、次世代ICT大会議には多くの皆さんにご参加頂いたのですが、どちらかというと売る側ばかりが集まってしまった。そんなこともあって、「立場を越えた議論」を深められなかったという反省があったんです。なので、運営の方法や内容をもう一度原点に立ち返って考え直してみようということで、新たにITACHIBAを立ち上げることになったんです。

TECH 大谷:確かに売り手と買い手が同居すると、やはり難しいですよね。ある意味、商売の場にもなりかねないですし。

伊嶋:とはいえ、思いは同じです。確かにITベンダーやSIに関わる人や企業に強くフォーカスしていたようなところがありましたが、ITACHIBAは完全にその囲いを取り外し、関わる人をすべてフラットにして、どんなイベント活動やアウトプットも可能であるというような、無限大の広がりを持たせています。ちょっとおおげさかな?

このたび正式なWebサイトもできあがりましたので、参加企業やメディアを通じて、この活動のアウトプットはその都度展開していきます。しかも他のいろんな活動ともクロスオーバーしていきますので、自律的な繁殖を遂げることは間違いないですね。

斎藤:特定の企業がスポンサーをしているわけではないからこそ、できるイベントをやって行きたいと思っています。

積極的にディスカッションに参加する人のイベント

TECH 大谷:さっそく2月14日に都内でイベントをやるそうですけど、どんなイベントなんでしょう。

伊嶋:こけら落としのイベントは斎藤さんがかねてからというか、いつも言っている(笑)、ITの提案する側と導入して活用する側の両極の立場での討議です。これからのITと、どうかかわっていくべきかを真剣に考える場となります。

斎藤:ちょっと刺激的ではありますが、「今、問われるIT部門・SI事業者の存在意義~ IT部門は必要なのか? SI事業者は何をすべきか?~」というテーマで、皆さんと話し合おうと思っています。なにしろ「異立場」ですから、ユーザー企業の情報システム部門長とITベンダーの事業改革を支援している方々に、それぞれの置かれている現場や課題、今取り組んでいることなど、体験を交えてお話をして頂きます。その問題提起をうけて、参加者でディスカッションする予定です。

TECH 大谷:どういった方に来てもらいたいですか?

斎藤:まずは、ユーザー企業のITに関わる方にご参加頂きたいですね。といっても情報システム部門の方ばかりじゃなく、経営者や業務部門の方で、ITをもっと経営や業務の武器として活用して行きたいと考える方にもご参加頂ければと思っています。また、ITベンダーやSIerの方も、売り込みじゃなくて、ユーザー企業の方と一緒になって、ITの未来をよくしたいと思っていらっしゃる方なら、どなたでも大歓迎です。ただし、自分でも議論に参加する意志が必要です。

伊嶋:この活動に参加することで、ITに関わる自分の役に立つことを見つける、あるいは気づきを生みだすことが目的ですので、一般的なセミナーを受講するというようなコンサバなものとは違います。積極的にディスカッションに参加して、存分に入り込める方をお待ちしています。

TECH 大谷:ありがとうございます。ということで、イベントの方、楽しみにしています。

今、問われるIT部門・SI事業者の存在意義~IT部門は必要なのか? SI事業者は何をすべきか?~

対象者ユーザー企業、ITベンダー、SI事業者に関わりなく、ご参加頂けます
定員50名
内容現状認識と問題提起、パネルディスカッション、グループディスカッションなど
参加費無料
日時2014年2月14日 (金)  15:00〜19:00
会場株式会社アイ・ラーニング 茅場町研修センター(東京都中央区日本橋箱崎町4-3 国際箱崎ビル7階)

 詳細は、「ITACHIBA」のサイトへ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ