8月23日、「アスキークラウド・イノベーションセミナー」がNTTドコモ・ベンチャーズ・ラウンジスペースで開催され、金曜の夜にも関わらず100名以上の参加者で賑わった。
記念すべき第1回のテーマは「動画マーケットの極意」。花王、ドワンゴ、FIXERの3社が動画マーケティングの取り組みや戦略を語ってくれた。
花王がポニーテールの結び方を指南
最初の登壇者は、花王の本間 充氏。多額の広告費を投入している花王といえどもは、動画マーケティングの正解はいまだ模索中だという。花王のCMはYouTube上で見られるが、再生回数は期待しているほど伸びていない。一方で、同社が公開しているポニーテールの結び方を教える動画の再生数が伸びているという。「最近の女子高生は毎日髪型を変えます。スマホで髪型のセット方法を参考にしているのでしょう」と本間氏は分析。その他、ディズニーが中国で失敗した動画マーケットの事例などを解説した。
米国では健全なメディアという評価のニコニコ動画
「ニコニコ動画は、米国で健全なメディアと評価されているんです」──来場者が思わず吹き出してしまう話題を提供したのが、ドワンゴの岡村裕之氏。米国大統領選挙をの際をはじめ、「無編集」の動画を公開していることから透明性の高いメディアとして評価されているのだ。最近はタイアップ広告に力を入れており、味の素のマヨネーズ「コクうま」の料理動画を20代男性をターゲットにして募集し動画を公開したところ、同商品の売り上げが5%伸びたという事例を公開。また、一社スポンサーによる緻密なオリジナル番組の作り方についても詳細な解説をした。
YouTubeが入り込めないニーズをキャッチするFIXER
最後の登壇者は、マイクロソフトのプラットホームを使った運用支援サービスを提供するFIXERから松岡清一氏が登壇。マイクロソフトのクラウドプラットホーム「Windows Azure」。日本で後発のサービスと見られがちだが、Azureのウリはアプリが開発できる点と強調。松岡氏は「作ろうと思えばYouTubeだって作れる。流行るかどうかは別だが」と笑いを混じえながら解説。このカスタマイズ性を生かして、ある製薬メーカーは薬を投与した時の記録動画を医者だけに配信しているという事例を紹介した。ちょっとしたカスタマイズを施したいときYouTubeでは対応できず、こうしたビジネスチャンスをAzureがものにしているのだ。
野望はあってもアイデアがない。頭数は多いがキーマンはいない。そんな現状を憂うビジネスパーソンのためのアスキークラウド・イノベーションセミナー。次回は10月末に開催予定だ。詳細が決まり次第、当ウェブサイトやFacebook、Twitterなどで告知するので確認して欲しい。