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3ユーザー・100MBまで無償で使える「フリーウェイ顧客管理」

世界初!? クラウドベースのカード型データベース

2013年07月24日 11時00分更新

文● 藤山哲人

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社長に直撃!なんでタダで使えるの?

フリーウェイジャパン 代表取締役 井上 達也氏

 このサービスを提供しているのは、フリーウェイジャパンという会社。しかし無償のブログサービスやゲームには、必ずウラがあるものだ。このデータベースにもきっと裏があるハズなので、社長に直接インタビューを求めた。

 ド頭からなぜ無償で提供できるのかについて話を聞くと「ウチはITメーカーじゃないんで……」という井上社長の第一声。詳しく聞いてみると、ビジネスモデルが違うというのだ。

 「フリーウェイジャパンの本業は会計事務所向けのシステム開発です。だからソフトやサービスを一般企業や個人に売って稼ぐソフトハウスと違って、みなさんから利益をいただかなくてもいいんですよ。」

 本業が会計事務所向けシステム会社とはいえ、ソフトを開発している手前開発費や運営費といった経費がかかる、なぜ余計な経費を積んでまで自社でソフトを開発する必要があったのだろうか?

 「日本には、手ごろな業務用ソフトってないんですよ。たとえば顧客管理データベースだと、本当に小規模ならExcelでいいんですが、少し大きくなると面倒で難しいAccessを使わなければだめ。

 しかも自社の業務にあわせるとなると、プログラムを作ってやらないといけないんです。大企業であれば、Oracleのデータベースを使って開発を外部に委託するなんてこともできますが、中小企業では負担が大きすぎます。」

 確かにExcelだと、項目が増えると横にスクロールさせないと見えなくなってしまって使いづらい。かといってAccessに移行して、見栄えのいいウィンドウを持ったデータベースを作ろうとなると、パソコンに強い人を割くか外部に委託するなど、敷居がとたんにあがってしまう。

 「じゃぁどうするか? っていうと、テレビで宣伝している弥●とか、奉●とかJ●とかのシリーズを使うのですが、これが意外と高いんです。会社を運営するとなるといくつものソフトウェア、経理や給与管理、顧客管理に勤怠管理などやることが多くて、初期投資も膨らむ。全て購入すると、数十万円超えですからね。そのうえ、バージョンアップなどの費用も毎年かかるとなると、中小企業では負担できません。」

 会計事務所の顧問先企業を多く見続けてきた井上氏は、この状況を見て開発を決意したという。

 「ExcelやAccessでは機能やシステムが中小企業に見合わず、専用ソフトは機能こそ見合うものの初期投資が中小企業に見合わない。そんな状況を解決すべく、会計事務所と共に立ち上がったというわけです。システム的にも初期投資的にも中小企業にピッタリのソフトを用意したいという一心で無償のソフトを提供しています」

ではなぜカード型データベースだったのだろうか?

 「昔、アスキーサムシンググッドのThe CARDを使っていて、これが一番使いやすかったらからです(笑)。現在はカード型データベースというものがほとんどなくなってしまいました。でもやっぱり初心者には使いやすいんです。だってほら、年賀状ソフトの宛名管理ってカード型データベースじゃないんですか。誰にでもすぐ使いこなせて、そこそこ便利なのに、なぜか市場にない。ならば、ウチが作ろうと(笑)。

 顧客管理データーベースとしてフリーウェイ顧客管理を無償でサービスを提供していますが、お客様にはカード型のデータベースの使いやすさを、いま一度思い出して欲しいのです。また使ったことのない人には一度使ってみて欲しいんです。それにここまでカード型データベースがないってことを考えると、海外でも使ってもらえるんじゃないか?と思って。日本のソフトウェア技術ここにあり! って、元気な日本を世界に見せたいと思いました」

 毎日毎日、中小企業の経営状態を見なければならない会計事務所のシステムを作ってきただけに、昨今の不景気で気が滅入ってしまったという井上社長の気持ちもよく分かる。それを原動力にして、日本の元気な中小企業を応援すべく自らソフトを開発し、世界に知らしめたいという強い願いも込められているようだ。

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