このページの本文へ

スマホビジネスの主戦場、標的は高校生!

2013年06月26日 07時00分更新

文● 寺田祐子/アスキークラウド編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 スマートフォンを所有する高校生が急増している。内閣府が2013年3月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、2012年度の高校生のスマートフォン普及率は55.9%で、前年の7.2%から大きく伸ばした。

 高校生のスマートフォン利用が拡大する中、彼らの学習ニーズに応えたサービスが続々と登場している。たとえば、KDDIは「GAKUMO(ガクモ)」の提供を7月1日より開始する。

 GAKUMOは、中学・高校生向けの学習支援サービス。学年ごとに厳選問題を一問一答形式で提供する。約15分の学習サイクルを想定したカリキュラム構成で、すき間時間での学習に有効だ。

GAKUMO

KDDIが提供する「GAKUMO」。高校生向けには5教科9科目を用意。1コース月額980円から利用できる。対象機種はAndroid 2.3.3以上、iOS 5.0以上のauスマートフォン

 間違えた問題を自動蓄積し、答えられるまで繰り返し学習できる「苦手克服ボックス」や、講師に直接質問可能なメッセージ機能(8月より提供開始)などを備え、知識の定着を図る。また、学習の進捗に応じてコインやポイントを付与。GAKUMO内のアバター用アイテムに交換できるなど、「飽きない仕掛け」も用意される。

 同様のサービスとしては、スマートフォンを活用した大学受験勉強を支援する「大学受験倶楽部」(NTTラーニングシステムズ)などもある。電車での通学時間を仮に1時間とすると、1年間の累積時間は400時間に及ぶ(1年間で200日通学と想定)。ちりも積もれば山となる。すき間時間を活用して効率よく勉強したい──こうしたニーズに応えたものだ。

 教育分野のほかにも、若者のニーズを捉えようという動きは多い。ミクシィ・リサーチは7月1日より、mixiユーザー向けのネット調査事業をスタートする。これまで調査が難しかった10・20代へのリサーチが可能になるとして、関心を集めている。

 電子書籍ストアBOOK☆WALKERでは、クレジットカードを持っていない若年層のために支払い方法として携帯電話料金と一緒に支払える「ケータイ払い」を導入。また、コンテンツ面では、若年層に人気のコンテンツを中心に低価格帯や無料の電子書籍をラインナップしている。

 ブックウォーカーのサービス企画グループ グループ長の栗本直彦氏は「たとえば10代に人気のボーカロイド系のものは、紙の書籍よりも安く提供したり、期間限定で無料配信をしたりしています」と話す。若者がスマホで電子書籍を見る理由については、「電子書籍専用端末は安いのもありますが、それらは端末としての性能が限られていたり、買える書店が限定されていたり、と不自由です。かといって、iPadやNexusといったタブレットとなると価格帯が高く、若者には容易に手が出せない。結果、消去法で持っているスマホを活用している、というのが現実だと思います」と指摘する。

 IDC Japanによると、2013年1〜3月におけるスマートフォン出荷台数は前年比4.0%増の681万台で、2017年には3708万台にまで拡大する見通しだ。日本国民の約4人に1人がスマホを持つ計算になる。若年層のスマホ所有は、今後ますます増えていくことであろう。若者をターゲットにしたスマートフォンビジネスに、ますます目が離せない。


週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中