BCNは、2013年3月のタブレット端末の販売台数が前年同月比96.8%増と大きな成長を見せる一方、ノートPCは前年同月比22.5%減、デスクトップPCは同32.8%減という大幅な減少になったことを明らかにした。
タブレットを含むPC市場全体でも、販売台数は前年同月比6.2%減となった。PC全体の販売台数が前年実績を下回ったのは2012年8月以来。10月のWindows 8発売以来、初の前年割れとなった。
同調査は、全国2440店舗のPOSデータを集計したものであり、SurfaceおよびKindleは調査に含まれていないが、「これらを含んだとしても前年割れになっただろう」としている。
なお、PC市場全体におけるタブレット端末の構成比は、3月の集計では29.0%に拡大したという。ノートPCは60.4%、デスクトップPCは10.6%となった。
タブレット端末は好調に推移
BCNの道越一郎 エグゼクティブアナリストは、「携帯電話市場の7割を占めるスマートフォンに慣れたユーザーが、画面が狭いといったことへの不満解消のためにタブレット端末を購入。また、低価格なNexus 7の試し買いが拡大したこと、大量の広告投下でタブレットの認知度が向上したこと、閲覧用途に適していることなどが、タブレット端末の販売を押し上げた」とした。
ノートPC離れが始まった—アドバンテージを再定義する必要性あり
一方で、「Windows 8ではタッチを訴求したものの、タッチモデルの販売構成比がノートPCで16.5%、デスクトップPCで8.1%に留まっていること、PCのコモディティ化により、故障してから買い換える傾向が強まったこと、新製品では単価が戻ったことで割高感が発生し、ノートPCおよびデスクトップPCの販売が落ち込んだ」と分析。
「新OSリリース後の3月商戦期で、まさかの前年割れとなった。ユーザーは確実にノートPC離れが始まっている。PCメーカーは、スマートフォンとタブレットを前提としたノートPCの製品企画が必要になってくる。ノートPCのアドバンテージは何かを再定義する必要がある。ノートPCが登場してから約30年を経過する。ひとつの節目を迎えているのではないか」などとした。