アニメファンならぜひ行きたい！聖地巡礼ツアー 第18回

アニメファンからミリタリーファンまで盛り上がる大洗

ガールズ＆パンツァーの聖地・大洗で初日の出＆初詣！

アニメに登場した風景を歩く

　さあ、いよいよ「ガールズ＆パンツァー」戦場巡りだ。ASCII.jpミリタリー傭兵部隊の腕が鳴る！　大洗の街が登場したのは本編第4話、イギリス戦車を中心に編成されている聖グロリアーナ女学院との親善試合のシーン。

　冒頭はどことも知れない岩山での待ち伏せから始まるが、これは以降の場面から、大洗市街地の北にある大洗ゴルフ場付近だと推測できる。伏撃に失敗した大洗女子チームは、撃破されたM3と履帯が外れた38tを置いて、残るIV号戦車、III号突撃砲、それに八九式中戦車の3両で反撃を開始する。ここからはアニメのシーンと実際の現地写真を見比べながら読み進めて欲しい！

大洗女子チームが南下をした
県道2号線

　大洗女子チームは、聖グロリアーナチームの追撃を受けながら県道2号線をひたすら南下。最高速度25km/hの八九式中戦車に足を合わせて逃げる大洗女子チームだが、追いかける聖グロリアーナチームもまたチャーチル歩兵戦車とマチルダII歩兵戦車という鈍足な戦車で編成されていて、きわどいところで追いつかれることはない。マリンタワー南交差点で県道106号線へと右折した大洗女子チームは、大洗市街地で散開して待ち伏せ体制を取る。

「もっとコソコソ作戦を開始します！」一同が駆け下ってきた坂道は、大洗磯前神社への参道。この日は初詣待ちの車列が長く伸びていて、シーンどおりのアングルで撮影できなかった

神社の参道を駆け下った大洗女子チームの残存3両は、大洗鳥居下交差点で南へと針路を取って、県道2号線をアウトレット方面へと走っていく

　ちなみにこのシーンで、彼女らを狙った砲弾がアスファルトに着弾しているが、爆発しないのは炸薬が入っていない徹甲弾を使っているから。マチルダIIの2ポンド砲は対戦車用の徹甲弾しか撃てないのだ。

大洗マリンタワーをバックに、逃げる大洗女子チーム。タワーの横にはフェリー岸壁があり、北海道行きのカーフェリーが停泊している。ちなみに劇中では学園艦が停泊していた場所で、シーンと比較すればその途方もない大きさがイメージできるだろう

アウトレット前を通過した大洗女子チームは、マリンタワー南交差点で右折して市街地へ。追撃してきた聖グロリアーナチームの前から姿を消した……

奇策で戦力差を覆した
薬局前での伏撃

　周囲を警戒しながら市街地を進む聖グロリアーナのマチルダII。しかし、薬局の幟旗に旗指物を紛れさせるという奇策（？）で待ち伏せていた大洗女子チームのIII号突撃砲に、側面から射撃を浴びて撃破されてしまう。車高が低いIII号突撃砲は障害物に隠れやすく、市街地のように視界の開けていないところでは有利に戦えるのだ。だが、よりによって車体の上に旗指物を立てていたIII号突撃砲は隠れていても位置がモロバレで、垣根の向こうから放たれた砲弾に側面を直撃されて撃破された……。

市街地の入り組んだ道を、周囲を警戒しながらマチルダIIが進む。戦車は非常に視界が限られていて、このような市街地ではどうしても死角が多くなってしまう。我らが西住殿は、能力的に劣る自軍戦車で近接戦闘に持ち込むために市街地での待ち伏せ作戦を選んだのだ

突然、薬局の陰に隠れていたIII号突撃砲の砲撃を側面に受け、炎上するマチルダII。なお、III突が隠れていた路地は実際には3枚目の写真（左）のようなところだ

　マチルダIIとチャーチルは、当時のイギリス陸軍の区分で「歩兵戦車」という種類にカテゴライズされる。その名のとおり歩兵と一緒に敵陣に乗り込んでいくために作られた戦車で、足が遅いかわりに当時としては非常に装甲が分厚い戦車だ。このためマチルダIIの砲塔部の装甲厚は75mmと分厚いが、III号突撃砲F型の7.5cm StuK40 L/43砲は距離100mでも厚さ98mmの装甲板を貫徹できる火力を持つ。