おねてぃ酒を求めて冬の木崎湖へ
これは、先だってASCII.jpにて公開された「年末年始関東巡礼の旅」(関連記事)の、いわば番外編となる記事である。
筆者とその同行者たちが住んでいるのは、筆者が関西、そして同行者はいずれも東海地方だ。栃木県の足利を離れた筆者たちは、そのまま上信越自動車道に乗り、長野まわりで名古屋に向けて帰路に着いた。その途中、上田のあたりを通過していたときに、不意に筆者の中にムクムクとある欲望が渦巻いてきたのである。
「……酒が飲みたい」
もちろん運転中の飲酒はご法度だ。そういう意味ではなく、早く家に帰ってたんまりとお酒を飲みつつ、この年末年始の旅行の疲れを癒したい。そう思ったのだ。
だが、ふと我に返って考えてみた。そういえば家に帰っても、ろくなお酒が残っていないはずだ。せっかくここまで来たのだから、ちょっと寄り道しておいしいお酒を買い込むのも悪くないのではないか。ちょうどクルマは長野を走っているが、長野といえばあの場所に良いお酒が売っているじゃないか!
「よし、今から木崎湖に寄り道していこう! あそこで酒を買って、ついでに冬の木崎湖の風景もちょっくら見物していこうじゃないか!」
こうして、同行者たちから沸き起こった不平不満の嵐をものともせず、「お酒を買うために真冬の木崎湖訪問」という前代未聞のお使いミッションが開始されたのだった。
長野自動車道の豊科インターチェンジを降り、梓川沿いを白馬方面へと向かっていく。元日の信州の空は真っ青な快晴で、遠くに見える北アルプスの山並みが、青いキャンバスの中に真っ白なスカイラインを形作っている。大晦日から元日にかけて、西日本を中心に大荒れの天気となったようだが、ここ安曇野周辺では雪の影ひとつなく快適なドライブとなった。
梓川沿いを軽快に北上していく。元日の安曇野の空気はどこまでも澄んでいて、雪化粧した北アルプスの山並みが手に取るような間近に見える。安曇野は冬でもそれほど積雪がない土地らしく、それは路傍に積雪時の路肩を示す反射ポールが無かったり、信号機が横置きになっていることでもわかる
北へと進むにつれ、路傍に白い雪の塊がちらちらと見え始める。信濃大町を過ぎるころになると、歩道に除雪の跡が見え始め、このあたりから徐々に降雪地域に入ったようだった。やがて木崎湖に近付くと、車窓には真っ白な新雪で覆われた田畑が広がり、道路脇には30~50cmほどの積雪が続く北国の風景となっていった。
(次ページへ続く)

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